ケニア向け技術協力プロジェクト討議議事録の署名:地熱の開発促進に向け能力強化を支援

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2021年12月10日

メネンガイにおける噴気試験の様子

国際協力機構(JICA)は、12月3日、ナイロビにて、ケニア共和国政府との間で、技術協力プロジェクト「地熱発電事業における蒸気供給管理能力向上プロジェクト」に関する討議議事録(Record of Discussions: R/D)に署名しました。

ケニアの電化率は周辺国との比較では高い水準にあるものの、人口の約25%に電力アクセスがない状況です。一方で、ケニアには世界でも有数の地熱資源ポテンシャルがあるといわれています。地熱は温室効果ガスをほとんど排出しないクリーンな電源であり、出力が季節や天候に左右されないためベースロード電源として利用できます。現在ケニアにおいては、国内の総発電量の4割以上を地熱発電で賄っています。これまで、JICAはケニアに対し、オルカリア地域を中心に円借款を活用した地熱発電所の建設・改修事業を数多く実施してきたほか、地熱資源開発に必要となる探査技術や資源評価、掘削技術に関する能力強化や開発計画の策定に関する技術協力も行ってきました。

本案件は、オルカリア以外の地域の地熱開発を進めるため、ケニアの地熱開発公社(Geothermal Development Company:GDC)に対し、メネンガイ地熱地帯の資源量を再評価するための一斉噴気試験の実施支援、同地域で進められている蒸気供給事業の最適化、新規地熱開発地帯の開発計画の見直しや事業化に向けた計画策定等の支援を通して、地熱開発公社の蒸気供給業者としての能力向上を図るもので、SDGs(持続可能な開発目標)ゴール7、13に貢献します。

案件の詳細は以下の通りです。

【案件基礎情報】
国名 ケニア共和国
案件名 地熱発電事業における蒸気供給管理能力向上プロジェクト
実施予定期間 36ヵ月
実施機関 地熱開発公社
対象地域 ナイロビ、メネンガイ、パカ、コロシ、ススワ及びその他の地熱地帯
具体的事業内容(予定) 専門家を派遣し、一斉噴気試験の実施支援、既存の蒸気供給事業の最適化や新規地熱地帯での事業化に向けた計画策定等の事業運営面の能力強化を行い、地熱公社の蒸気供給管理能力の強化を図る。

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