ウガンダ史上初:ウガンダ国会がJICAの長年の協力を称える決議を採択

2021年12月20日

国会決議時の様子

国会決議後の関係者集合写真

2021年12月15日、ウガンダ国会にてJICAの同国への協力を称える決議が採択されました。ウガンダ国会において特定の国際協力機関による協力を称える決議は史上初めてになります。本決議は、1980年代半ばから20年以上に亘る内戦の影響を受けたウガンダ北部地域に対するJICAの復興支援を称えるために、北部地域選出の国会議員により提案されたものです。審議の過程で、北部地域の協力に限定せず、人への投資、ウガンダの自立的発展に焦点を当てたJICAの全ての協力を称えるべきとの意見が採用され、最終決議では、インフラ、農業、保健、地方給水、教育、ジェンダー、地方自治等、多岐にわたるJICAの長年の協力が称えられました。

当日の決議冒頭において、提案議員による議案説明の後、議長が発言を希望する議員に起立を求めたところ、与野党問わずほとんどの議員が一斉に立ち上がり、JICAの協力に対する感謝の言葉を述べました。また、多くの議員が過去にJICAが行った教育分野の協力に関わっており、「私はJICAによる協力の恩恵を受けた生徒です」と誇らしげに発言されました。

今回の決議の発端となったJICAの北部地域に対する協力は、反政府武装勢力である「神の抵抗軍(LRA)」と政府軍との武力紛争が停止し、紛争に伴い北部地域から避難していた国内避難民の帰還が本格化した2009年に開始したものです。JICAは、北部地域の中でも内戦の影響を強く受けたアチョリ地域において、道路等インフラの整備、帰還先のコミュニティの再生、地方政府の能力強化支援を一つのプログラムとして実施し、国内避難民の帰還と生活再建を包括的かつタイムリーに後押ししました。現地コミュニティ、地方政府、中央政府に働きかけ、様々な分野の日本の専門家が帰還したばかりのウガンダ人行政官と共に活動し、粘り強く住民の声を聞き、緊急支援から開発支援への切れ目のない協力を実施したことがウガンダから高く評価されました。

ウガンダはアフリカで最も多くの難民を受け入れている国であると共に、難民に就業や移動の自由を認めるなど、世界でも有数の難民に寛容な国と言われています。現在では、紛争を経験したウガンダ北部地域が、南スーダンやコンゴ民主共和国等の紛争から逃れてきた難民を大量に受け入れています。今後も、JICAは他の開発パートナーや民間企業等と連携して、長期化する難民とホストコミュニティのニーズに応え、ウガンダ政府の寛容な難民政策を現場で具現化する協力を行っていきます。