JICAと読売巨人軍が開発途上国におけるスポーツ振興を通じた国際貢献のための新しい連携協定を締結

2022年1月13日

署名式の様子

独立行政法人 国際協力機構
株式会社 読売巨人軍

独立行政法人国際協力機構(以下、「JICA」)と株式会社読売巨人軍(以下、「読売巨人軍」)は1月12日、開発途上国におけるスポーツ振興を通じた国際貢献を目的に連携協定に署名しました。署名式は、北岡伸一JICA理事長と今村司読売巨人軍代表取締役社長との間で、東京の読売巨人軍球団事務所にて行われました。

JICAと読売巨人軍は、JICAが実施するスポーツ分野における国際協力活動に読売巨人軍のノウハウ・人材を活用し、開発途上国における野球の普及・振興と、野球を通じた青少年の健全な育成を図ることを目的に、2015年1月にはじめて連携協定を締結し、JICA海外協力隊の野球隊員が途上国への派遣前にジャイアンツアカデミー(幼児から小学生を対象とした読売巨人軍の野球教室)の指導法を学んだり、また同アカデミーのコーチを途上国に派遣するなど協力してきました。

これらの成果を踏まえ、今般新たな協定を締結しました。今後は、途上国の野球の普及・振興を目的としたこれまでの活動に加え、スポーツを通じた多様性のある社会、平和な社会の実現への貢献を目指した活動として、女子選手の指導や、野球教室を通じた社会啓発活動等を連携して行う予定です。

この連携協定に基づき、1月13日にはバングラデシュの野球代表チーム、1月26日にはフィリピン・ミンダナオ島のこども達を対象としたオンライン野球教室を開催します。今後もJICAと読売巨人軍は、相互の連携を一層深めながら、スポーツを通じた社会課題の解決に向けて取り組んでいきます。

■両代表のコメント
JICA 北岡伸一理事長 
「JICAは『人間の安全保障』をミッションとして掲げています。これは、すべての人が尊厳をもって生きる権利があるという考えで、スポーツを楽しむことはそういった権利の一つです。JICAは1965年の青年海外協力隊発足当初からスポーツ・体育隊員を開発途上国に派遣するなど、長年、スポーツを通じた国際協力に取り組んでまいりました。これまでの読売巨人軍との連携は、開発途上国における野球の普及・振興と野球人材の質的向上に大きく貢献したと思います。日本の野球界をリードする読売巨人軍とさらに連携関係を深め、誰もが野球・スポーツを楽しむことができる平和で豊かな世界の実現を目指します。」

読売巨人軍 今村司代表取締役社長 
「コロナ禍の時代だからこそ、世界に目を向けJICAと協力し、種をまいていきます。2015年の連携協定に始まり、中南米、東南アジアの各国にジャイアンツのノウハウがJICAを通じて現地に届いています。今はオンラインに限られますが、今後より世界に目を向けるための第一歩となるように我々は頑張っていきます。フィリピンと巨人軍は実は繋がりが深く、球団史初の満塁ホームランを放ったアデラーノ・リベラ選手は巨人軍唯一のフィリピン出身の選手。1939年に行った巨人軍のマニラ遠征では、フィリピンで一番歴史のあるリサール球場で試合を行い、日本のプロ野球最初の三冠王となった中島治康選手が場外ホームランを放っています。今回の協定をきっかけに、由緒はあるが老朽化したこの球場の改修の検討にもつなげていきたいと考えています。」

■連携協定に基づく主な活動内容
1.野球の普及・振興のための活動
・巨人軍コーチによる途上国での野球指導(オンライン及びオンサイト)
・JICA海外協力隊員による野球指導における巨人軍のノウハウ活用
・現地派遣前の隊員を対象とした野球指導に関するジャイアンツアカデミーでの研修実施
・巨人軍による幼児から小学生向けテキスト「Giants Method ホップ ステップ ジャイアンツ!」の英語版の作成と隊員による活用
・ジャイアンツアカデミー事業の途上国展開可能性の検討
・途上国の野球施設の改修に関する検討、用具の提供等

2.野球を通じた多様性のある社会、平和な社会の実現への貢献を目指した活動
・巨人軍女子チーム選手による途上国女子選手への指導
・野球教室等のスポーツ参加機会の提供
・途上国における社会課題の解決に向けた啓発活動や平和な社会の実現につながる活動の実施