コロンビア「中小零細事業者支援事業」に対する融資契約の調印(海外投融資):女性が経営する中小零細事業者の金融アクセス改善に貢献

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2022年3月23日

調印式

中小零細事業者

国際協力機構(JICA)は、3月18日、コロンビアの民間金融機関であるBanco Davivienda S.A. との間で、コロンビアの中小零細事業者(MSME)の金融アクセス改善および女性の経済的エンパワーメント促進を図るために、1.5億米ドルを上限とする融資契約に調印しました。

コロンビアは、中南米地域で第4位の経済規模を有し、同国の民間企業数の約99%、GDPの約28%、雇用全体の約67%を占めるMSMEは社会経済の重要な基盤です。現在、新型コロナウイルス感染症流行の影響もあり同国の失業率は約15%と域内平均の約10%を大きく上回り、雇用の多くを占めるMSMEの振興が重要な課題となっています。一方で、同国のMSMEの約62%が十分な金融アクセスを有しておらず、MSME向け貸付資金ギャップは約562億ドル(GDPの約19%)と推計されるなど、MSMEの成長のためには金融アクセスの改善が必要です。

Banco Davivienda S.A.は、“Enriching life with integrity(尊厳のある豊かな人生)”をビジョンに掲げ、2019年からMSME融資を事業戦略の3本柱の1つに位置づけて推進しています。デジタルプラットフォームの拡充による金融サービスのコロンビア全土への提供にも取り組んでおり、JICAがコロンビアのMSMEの金融アクセス改善を図るうえで重要なパートナーです。

コロンビア政府は女性の活躍推進に取り組んでおり、2021年11月にはJICAの北岡理事長とコロンビアのラミレス副大統領兼外務大臣がコロナ禍からの経済回復と雇用創出や女性の活躍推進等への取り組みについて会談しています。本事業では、JICAが行う1.5億米ドルのMSME向け融資のうち30%は女性が経営するMSME向けに充てられる想定で、コロンビア政府の優先分野にも沿っています。また、JICAが2021年9月に発行したジェンダーボンドによって調達した日本国内の投資家の資金がコロンビアの女性起業家の支援に活用される想定です。

本事業は、国際金融公社(IFC)との協調支援であり、コロンビアのMSMEの金融アクセス改善を通じて持続的な産業発展に寄与するもので、SDGsゴール5(ジェンダー平等の実現)、ゴール8(金融サービスへのアクセス改善)、ゴール9(小規模企業の金融アクセス拡大による産業化促進)に貢献します。