イラク向け技術協力プロジェクト討議議事録の署名:クルディスタン地域の農業試験センターの運営能力を強化し農業技術向上に貢献

【SDGsロゴ】飢餓をゼロに

2022年4月6日

署名の様子

国際協力機構(JICA)は、3月29日、エルビルにて、イラク共和国クルディスタン地域政府との間で、技術協力プロジェクト「クルディスタン農業試験センター運営強化プロジェクト」に関する討議議事録(Record of Discussions: R/D)に署名しました。

イラクでは農業が地方部での雇用の大部分を占め、紛争からの復興や石油依存経済からの脱却にとって重要な産業と位置付けられています。しかし、度重なる紛争や干ばつの影響により農地の荒廃が進行し、近代農業技術の導入が停滞しています。イラクの北部に設けられたクルド人の自治行政地域であるクルディスタン地域では、政府の研究機関でも農業技術に関する知識は限られ、多くの農家が遠隔地で従事していることもあり、政府の農家に対する農業技術指導が十分でなく、品質の高い農作物を生産できていません。このため、農業技術の改善は優先事項であり、作物の品種改良や新しい農業技術の開発を担当する農業試験センターはその中核として位置づけられています。

本案件は、クルディスタン農業試験センターを対象に、計画立案、予算策定、研究実施、問題把握及び解析を自主的・継続的に実施できる人材を育成します。農業試験センターの能力が向上することで、農家にとって有益な情報が提供され、クルディスタン地域の人々が高い品質の農作物を安定的に入手できるようになることが期待されます。SDGs(持続可能な開発目標)ゴール2(飢餓をゼロに)に貢献します。

【案件基礎情報】
国名 イラク共和国
案件名 クルディスタン農業試験センター運営強化プロジェクト
実施予定期間 48ヵ月
実施機関 クルディスタン地域政府農業水資源庁
対象地域 クルディスタン地域
具体的事業内容(予定) クルディスタン地域の農業試験センターの人材を育成し、研究計画立案能力の向上、研究計画の実施能力の向上、試験研究局と普及局との連携強化、研究マネジメントの確立を図り、同センターの運営能力を強化する。