南アフリカ向け技術協力プロジェクト討議議事録の署名:日本のものづくり現場を支えてきた「カイゼン」を通じて、企業の品質・生産性向上を支援

【SDGsロゴ】働きがいも経済成長も

【SDGsロゴ】産業と技術革新の基盤をつくろう

2022年4月13日

署名の様子

国際協力機構(JICA)は、3月28日、プレトリアにて、南アフリカ共和国政府との間で、技術協力プロジェクト「品質・生産性向上(カイゼン)プロジェクト」に関する討議議事録(Record of Discussions: R/D)に署名しました。

「カイゼン」は日本で独自の発展を遂げた品質・生産性向上のための多くの手法の総称であり、日本の高度経済成長を生産現場で支えてきました。JICAはこれまで30ヵ国以上の途上国でカイゼンの普及を担う人材の育成、組織体制の強化に取り組んできました(注)。
南アフリカでは、「自動車産業人材育成アドバイザー」(2017~2020年)を派遣し、自動車関連企業に対してカイゼン指導を行うコンサルタントを育成し、自動車部品メーカーの品質・生産性向上を支援してきました。
本案件では、先行案件で育成された人材や研修プログラム等を生かし、品質・生産性向上(カイゼン)活動を3つ以上の州や金属加工やサービス業といった複数の産業セクターへ普及する持続的な仕組みづくりを行うことを目的としています。企業支援組織や業界団体、学術機関等とのネットワークを構築し、カイゼンの知識と技術を継続的に普及するために必要な人材育成と実施体制の強化を図ることで、中小零細企業の品質・生産性向上や企業競争力強化を目指します。本案件を通して、SDGs(持続可能な開発目標)ゴール8(働きがいも経済成長も)およびゴール9(産業と技術革新の基礎をつくろう)に貢献します。

(注)「カイゼン」は5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)やQC7つ道具、総合的品質管理(TQM)等のツール・アプローチを活用しながら、経営者や従業員のマインドセットの変革やチームワークの醸成、コミュニケーションを促進し、全社的かつ継続的な取組みへと発展させながら、品質・生産性向上を図っていくことを特徴としています。

【案件基礎情報】
国名 南アフリカ共和国
案件名 品質・生産性向上(カイゼン)プロジェクト
実施予定期間 60ヵ月
実施機関 貿易産業競争省 産業競争力成長局
対象地域 南アフリカ全域を対象としつつ、活動は主として以下の地域で実施する。
・ハウテン州:プレトリア及びヨハネスブルグを中心とする地域
・クワズール・ナタール州:ダーバンを中心とする地域
・東ケープ州:ポートエリザベスを中心とする地域
具体的事業内容(予定) 企業支援組織や業界団体、学術機関等と連携して包括的な実施体制を構築し、カイゼン活動を担う人材育成と普及展開活動行うことを通して、「カイゼン」の全国的な普及を促進し、企業の品質・生産性向上と競争力強化を支援する持続的な仕組みづくりを行う。