舞鶴工業高等専門学校と道路アセットマネジメントに関する覚書を締結 -道路インフラの維持管理の問題解決を支援-

【SDGsロゴ】産業と技術革新の基盤をつくろう

2022年9月15日

署名式の様子

国際協力機構(JICA)は、9月15日、独立行政法人国立高等専門学校機構舞鶴工業高等専門学校(舞鶴高専)と道路アセットマネジメント(注1)の取組みに関する覚書を締結しました。署名は、オンラインにて、田中啓生JICA社会基盤部長と内海康雄舞鶴工業高等専門学校長との間で行われました。

JICAは技術協力において日本の経験・知見を活用するために「道路アセットマネジメントプラットフォーム」を立ち上げ、開発途上地域での道路インフラの予防保全型の維持管理の定着やアセットマネジメント技術・インフラ長寿命化技術に関する研究・開発支援を通じて、アセットマネジメント手法に基づいた効果的かつ効率的な道路行政の実現に向けて取り組んでいます。

舞鶴高専は地域のインフラメンテナンス技術者育成のために2014年に社会基盤メンテナンス教育センター(iMec)を設立しました。iMecは、全国の建設系の高専生、地方自治体職員、民間土木技術者等を幅広く受け入れ、座学だけでなく、非破壊検査(注2)の実習、劣化橋梁部材の実物や供用中の橋梁等による体験型学習を組み合わせた実践的な教育の実施に取り組み、道路インフラの予防保全の中核的施設として社会に貢献しています。

今次覚書は、開発途上国における道路インフラの予防保全を主体としたアセットマネジメント能力向上の枠組みを構築するものです。 iMecの技術者育成に関する経験・知見は、日本のみならず、開発途上国の抱える道路インフラ課題の解決に貢献することが期待できます。
 
今後は、iMecを通じて道路インフラの維持管理・修繕等に対応できる人材育成を行います。具体的には、iMecの持つ教材を活用し、道路・橋梁の維持管理に関する教材を外国語で整備し、開発途上地域からの「道路アセットマネジメント」に関連する長期研修員の技術的指導などを予定しています。
予防保全を通じた維持管理能力向上により、世界規模の課題となっている道路インフラの老朽化等に対応し、道路の安心安全な利用につながることが期待されます。また本連携を通じてSDGs(持続可能な開発目標)ゴール9(産業と技術革新の基盤をつくろう)に貢献します。


(注1)社会インフラにおけるアセットマネジメントとは、「社会インフラを国民の資産(アセット)」として位置づけ、計画的かつ戦略的に、アセットの価値を維持し、高める」という考え方。道路アセットマネジメントは、こうしたアセットマネジメントの考え方を道路や橋梁などの道路資産の維持管理に適用した考え方。
(注2)機械部品や構造物の有害な傷を、対象を破壊することなく検出する技術

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