田中理事長が米国を訪問:世銀、IMFや関係機関等と面談

2022年9月22日

田中明彦JICA理事長は、9月12日から16日にかけて米国を訪問しました。

訪米中、デイビッド・マルパス 世界銀行(世銀)グループ総裁、クリスタリナ・ゲオルギエバ 国際通貨基金(IMF)専務理事、マウリシオ・クラベルカロネ 米州開発銀行(IDB)総裁、サマンサ・パワー 米国際開発庁(USAID)長官、アグネス・ダシュウィッツ 米国際開発金融公社(USDFC)最高執行責任者と面談をしました。また、コロンビア大学国際公共政策大学院のジャン・マリ・ゲーノ教授との意見交換に加え、ブルッキングス研究所主催のラウンドテーブルに登壇しました。

マルパス世銀総裁との面談では、新型コロナウィルスのパンデミックに加えウクライナでの戦争の影響による複合的危機への対応について意見交換し、開発機関が連携して危機からの回復と経済成長を導く重要性について認識を共有しました。特に、食料危機への支援、債務問題、ウクライナ復興支援について意見交換し、連携を促進していくことで合意しました。

ゲオルギエバIMF専務理事とは、複合的危機の展望と開発途上国に与える影響、債務問題、気候変動などについて意見交換を行いました。ゲオルギエバ専務理事からは気候変動において、日本に優位性がある防災分野での連携に関して期待が示されました。また、両者は能力強化支援での協力等を通じ、途上国経済の安定化に取り組むことを確認しました。

クラベルカロネIDB総裁との面談では、中南米・カリブ地域におけるJICAとIDBの連携実績を振り返り、今後も協調融資や民間セクター支援を通じて域内の開発課題に貢献していくことを確認しました。

パワーUSAID長官とは、同長官が前週訪問したスリランカ、パキスタンに加え、ウクライナ、アフリカ、インド太平洋地域での協力、気候変動、質の高いインフラ投資、民主化支援等、広範囲にわたり意見交換を行いました。

ダシュウィッツUSDFC最高執行責任者との面談では、これまでの協調融資での実績を振り返りつつ、USDFCが優先地域としているインド太平洋地域での連携強化に取り組み、引き続き優先セクターや地域に関する情報交換を進めることを確認しました。

ゲーノ教授とは、アフリカ各国の情勢やウクライナの今後の動静に関する分析等について議論しました。また、平和と安定の実現に必要となる政治・経済的な諸条件や効果的に平和の意義を示すことの重要性、さらには民主主義の推進に向けて重要な要素について意見交換をしました。

ブルッキングス研究所のラウンドテーブルでは、複合的危機から回復し、SDGsを達成するために国際社会がどのように対応、協力していくべきかについて有識者と意見交換を行いました。

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(左)マルパス世銀総裁、(中央)ゲオルギエバIMF専務理事、(右)クラベルカロネIDB総裁

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(左)パワーUSAID長官、(中央)ダシュウィッツUSDFC最高執行責任者、(右)ゲーノコロンビア大学教授