ボツワナで地上アナログ放送TV停波セレモニー:日本方式地デジに完全移行

2022年10月3日

セレモニーの様子

10月2日、ボツワナ共和国ハボローネ市で、地上デジタル放送への転換のため、アナログ停波セレモニーが行われました。ボツワナではJICAを含む日本政府の長年の協力で地上デジタル放送(地デジ)が全国に普及したため、アナログ放送の停止(アナログ停波)に至ったものです。

地デジの方式は世界に大きく4種類あり、日本が開発・発展させてきた「日本方式(ISDB-T)」はそのうちの一つです。日本は2012年3月に地デジ完全移行を達成しており、日本方式の特徴には災害等が発生した際のEWBS(緊急警報放送)やワンセグ放送などがあります。日本政府は日本方式の海外展開を推進しており、日本の協力により19か国で移行が進められています。ボツワナにおいても総務省やJICAが地デジの普及・推進に協力してきました。
デジタル放送は多くの国で行われていますが、アナログ停波は地デジの全国普及が前提となります。今回のアナログ停波によって、ボツワナは日本方式の導入国ではじめて地デジへの完全移行を達成した国となります。

電波の周波数は限られた資源であり、アナログ停波により、アナログ放送で利用していた周波数帯域を携帯電話サービスなどの他の用途に活用できるようになります。日本がスマートフォンの普及とともに周波数使用帯域の拡大を行ったように、今後はボツワナでも空いた周波数を活用した新規サービスが参入しやすくなるなど、同国の産業振興にも資することが期待されます。

JICAは2017年3月から1年間「地上デジタル放送日本方式アナログ停波アドバイザー」専門家をボツワナに派遣して全国アナログ停波計画をまとめました。その後、「地デジ化全国展開(アナログ停波戦略)」専門家が2018年10月から4年間にわたり同国の電波塔をひとつひとつ訪問し、地デジ機材が適切に設置されているか、デジタル電波が計画どおり届くかなどを確認、また全国アナログ停波に向けた普及啓発活動などを行い、地デジ完全移行を支援してきました。

10月2日のセレモニーには、大統領府放送サービス局の関係者等が参加し、星山隆在ボツワナ日本大使、江口秀夫JICAボツワナ支所長等が臨席しました。星山大使がスピーチを行い、2013年に日本方式の地デジをアフリカで最初に導入し、この度アナログ停波と地デジ放送への移行を完了させたボツワナに祝辞を述べました。
ボツワナ側からは国家大統領省のフォイツェマン・モレキシ次官による歓迎のあいさつに続き、ガボ・モラエシ大臣が、基調演説で地デジ移行プロセスの成功裏の完了はJICAを通じた日本政府とのパートナーシップの賜物であると述べました。

当セレモニーは9月30日のボツワナ独立記念日の関連行事として位置づけられ、今後のコンテンツ開発やデータ放送のリソース提供者となる教育・能力開発省、保健省、青年・ジェンダー・スポーツ・文化省の次官などが列席、ボツワナのダンスチームによる伝統舞踊も披露され、お祝いムードに包まれました。またセレモニーの様子はボツワナの国営放送で生中継されました。