アフガニスタン向け無償資金贈与契約の締結:UNICEFとの連携により新型コロナウイルス等感染症の拡大防止に貢献

【SDGsロゴ】すべての人に健康と福祉を

2022年10月26日

署名式の様子

国際協力機構(JICA)は、10月18 日、国際連合児童基金(UNICEF)との間で、アフガニスタンの「コールドチェーンの機材整備を通じた保健システム強化計画(UNICEF連携)」を対象として7億4,900万円を限度とする無償資金協力の贈与契約(Grant Agreement: G/A)を締結しました。

アフガニスタンの国民は、昨年8月の政変以降、貧困や食料・医薬品不足等のかつてない経済的・人道的危機に直面しており、国際社会からの支援が不可欠です。保健状況に関しては、2020年2月に最初の新型コロナウイルス感染例が確認されて以来、2022年10月現在、累計で感染者数は約20万人、死者数は7,800人を超えており、検査体制や検査結果の報告システムが不十分なため、実際の感染者数等はより多いと推測されます。また、麻疹等他の感染症も流行しており、予防接種全般の需要が高まっています。他方、ワクチン運搬中や保管中に適切な温度を保つための保冷車やコールドルーム、冷蔵庫、冷凍庫等、関連資機材の老朽化や不足、保健医療施設の電力不足、ワクチンに関する情報や接種拠点へのアクセスにおける地域間格差やジェンダー間格差等の改善等、課題が山積しています。

本事業は、アフガニスタンの基本的人道ニーズに資する事業として、ワクチンの保冷・運搬用資機材の調達やワクチン接種に係る啓発活動等を支援することにより、新型コロナウイルス感染症等のワクチン接種の持続的な実施を図り、感染拡大防止に寄与するものです。SDGs(持続可能な開発目標)ゴール3(すべての人に健康と福祉を)に貢献します。本事業の実施により、約2,460万人への新型コロナウイルスワクチン接種と5歳未満児約800万人への定期予防接種を適切に実施することが可能となり、アフガニスタンの感染症拡大防止に寄与することが期待されます。

案件の詳細は以下の通りです。

【案件基礎情報】
国名 アフガニスタン・イスラム共和国
案件名 コールドチェーンの機材整備を通じた保健システム強化計画(UNICEF連携)(The Project for Enhancing the Health System through the Improvement of Cold Chain Equipment)
実施予定期間 12ヵ月
実施機関 国際連合児童基金(UNICEF)
対象地域・施設 アフガニスタン全土
具体的事業内容(予定) ①機材供与
ワクチン運搬用保冷車、コールドルーム、発電機、ワクチンの保冷、運搬に必要なその他の資機材、太陽光発電設備等の供与
②ソフトコンポーネント
ジェンダーを考慮したワクチン接種啓発活動及びワクチン接種アクセス支援、コールドチェーン機材整備に係る技術支援