カンボジア向け無償資金贈与契約の締結： 安全な水の供給能力向上、地雷除去・不発弾対策の推進、医療廃棄物管理の改善に貢献

国際協力機構（JICA）は、11月12日、プノンペンにてカンボジア王国政府との間で計3件、総額62億4,800万円を限度とする無償資金協力の贈与契約（Grant Agreement: G/A）を締結しました。

今回贈与契約を締結した無償資金協力案件は以下の3件です。
（1） プンプレック上水道拡張計画（33億6,100万円）
（2） カンボジア地雷対策センター研修複合施設及び広報施設建設計画（24億5,100万円）
（3） 感染性廃棄物管理改善計画（4億3,600万円）

各案件の詳細は以下のとおりです。

（1） プンプレック上水道拡張計画
（The Project for the Expansion of Phum Prek Water Supply System）

【事業の目的及び概要】
本案件は、水需給がひっ迫している首都プノンペンにおいて、取水施設の建設や浄水場の増設、取水ポンプや配水ポンプを整備することにより、安全な水の供給能力の向上を目指すものです。本案件により、プノンペン都住民の生活環境改善が期待され、SDGs（持続可能な開発目標）ゴール3（すべての人に健康と福祉を）及び6（安全な水とトイレを世界中に）に貢献します。

本案件はタクマウ上水道拡張計画（2020年5月G/A）に続く、カンボジアで2件目の事業・運営権対応型の無償資金協力(*)として実施されます。整備された上水道施設の運営・維持管理にも日本の効率的な運営・維持管理のノウハウを適用することで、水道料金の引き上げを抑制しつつ、質の高い給水サービスを提供していくことが期待されます。

(*)事業・運営権対応型の無償資金協力：経済便益は高いものの事業採算性が低い官民連携（PPP）事業において、開発途上国政府が事業費の一部を負担することにより採算性の確保が見込まれる事業に対し、無償資金を供与する案件。

（2）カンボジア地雷対策センター研修複合施設及び広報施設建設計画
（The Project for the Construction of Training Complex and Outreach Facility of Cambodian Mine Action Centre）

【事業の目的及び概要】
本案件は、カンボジア地雷対策センターの研修機能を担う地雷対策技術研究所の施設及び広報施設の整備を行い、地雷対策関係者に対する教育訓練環境の改善及び地雷問題の理解促進及び啓発を目指すものです。本案件により、カンボジア国内外の地雷除去・不発弾対策の推進が期待され、SDGsゴール16（平和と公正）に貢献します。

（3）感染性廃棄物管理改善計画
　（The Project for the Improvement of Infectious Waste Management）

【事業の目的及び概要】
本案件は、29か所の公的医療施設において、医療廃棄物焼却炉の整備を行い、感染性廃棄物の適正な滅菌・感染制御を図るものです。本案件により、病院に勤務するスタッフ、患者及び近隣住民の健康被害の軽減が期待され、SDGsゴール3（すべての人に健康と福祉を）に貢献します。