スリランカ向け技術協力プロジェクト討議議事録の署名:女性の経済的エンパワメントを支援

【SDGsロゴ】貧困をなくそう

【SDGsロゴ】ジェンダー平等を実現しよう

2022年11月24日

署名式の様子

国際協力機構(JICA)は、11月23日、コロンボにて、スリランカ民主社会主義共和国政府との間で、技術協力プロジェクト「起業とビジネス、リーダーシップ及びネットワークの強化を通じた女性の経済的エンパワメント促進プロジェクト」に関する討議議事録(Record of Discussions: R/D)に署名しました。

スリランカでは、2020年以降新型コロナウイルス感染症の流行により、主要産業で外貨獲得に重要な観光業が大きな影響を受け、更に2021年後半から世界経済回復に伴う需要の高まり等による物価上昇と外貨不足、債務不履行の状況に直面し、経済危機に陥りました。経済状況の悪化は、女性の経済的・社会的地位にも深刻な影響を及ぼし、多くの女性が生計を維持することが困難な状況に陥っています。
このような状況の背景として、スリランカでは、ジェンダーに基づく社会規範や性役割分業によって、女性の労働や経済機会へのアクセスや、世帯や地域における意思決定権が限られているという課題があります。そのため、女性に対する経済面の支援に留まらず、地域のジェンダー課題に対応し、世帯や地域の変革を促すことで、女性が安心して経済活動に参加出来る環境整備や女性の意思決定権の獲得を実現する必要があります。

このような状況を踏まえ、本案件は、同国の起業とビジネス、リーダーシップ及びネットワークの強化を通じた女性の経済的エンパワメントを実現するため、これまで小規模ビジネスを営んできた女性や女性グループを対象にビジネスに必要なスキルの研修、ニーズに応じたサービスや商品開発、販路拡大のためのビジネスパートナーとの連携を行うなどのパイロット活動の実施と支援モデルの構築、また女性・子ども・社会的エンパワメント省の実施能力強化を行うもので、SDGs(持続可能な開発目標)のゴール1(貧困をなくそう)、ゴール5(ジェンダー平等を実現しよう)に貢献します。

案件の詳細は以下のとおりです。

【案件基礎情報】
国名 スリランカ民主社会主義共和国
案件名 起業とビジネス、リーダーシップ及びネットワークの強化を通じた女性の経済的エンパワメント促進プロジェクト
実施予定期間 48ヵ月
実施機関 女性・子ども・社会的エンパワメント省(以下、女性省)
対象地域 コロンボ、アンパラ県、モナラガラ県
具体的事業内容(予定) アンパラ県とモナラガラ県において、起業とビジネス、リーダーシップ及びネットワークの強化を通じた女性の経済的エンパワメントを実現するため、パイロット活動の実施及びモデルの構築、並びに女性省の実施能力強化を通じ、同モデルの制度化と他県への普及を目指す。