JICAが出資する信託基金LEAPを通じた支援(海外投融資):フィリピン南部における通信インフラ整備事業に対する融資

【SDGsロゴ】産業と技術革新の基盤をつくろう

【SDGsロゴ】1パートナーシップで目標を達成しよう

2022年12月7日

アジア開発銀行(ADB)が、JICAが出資する「アジアインフラパートナーシップ信託基金(LEAP)」を活用し、2022年12月7日にフィリピンの民間通信事業運営企業であるTiger Infrastructure Philippines Inc.(Tiger社)と総額4,000万米ドルの融資契約に調印しました。このうち、LEAP(注)を通じて1,500万米ドルが活用されます。
電波通信網は教育やヘルスケア、金融といった社会サービスに必要な基礎インフラですが、フィリピンでは人口100万人あたりの電波通信塔の数が164塔とASEAN諸国の中でも低水準に留まっており、フィリピン政府は2031年までに60,000塔の新設が必要と推計しています。特に本事業の対象地域となるフィリピン南部のミンダナオ島及びビサヤ諸島では、通信網の整備の遅れが大きな課題となっています。

本事業は、ミンダナオ島及びビサヤ諸島において電波通信塔380塔の新設及びそのオペレーションの支援を通じて、対象地域の経済発展及びフィリピン国内の地域間経済格差の是正に資するものです。本事業は、SDGsゴール9(産業と技術革新の基礎をつくろう)及びゴール17(パートナーシップで目標を達成しよう)に貢献します。

JICAは今後も各国・国際機関と協働し、「質の高いインフラ投資」を推進し、開発途上国・地域の経済社会開発に貢献していきます。

(注)LEAP(Leading Asia’s Private Infrastructure Fund)は2015年11月21日に日本政府より発表された「質の高いインフラパートナーシップ」のフォローアップ施策において言及された信託基金です。アジア及び大洋州地域の質の高い民間セクターのインフラ案件を対象とし、民間セクターが官民連携パートナーシップ(PPP)等の様々な形態を通じて実施するインフラ事業に対して、出融資による支援を行うものです。JICAは2016年3月にLEAPに対して15億米ドルの海外投融資による出資を承諾しました。LEAPは、アジア太平洋のADB加盟国における質の高い、持続可能な民間セクターによる幅広いインフラ事業を支援しており、支援対象分野は温暖化ガス削減、省エネルギー、良心的な価格での医療サービス等多岐にわたります。