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ネパール「インパクト投資推進事業」に対する出資契約の調印(海外投融資):インパクト投資ファンドを通じてネパールの産業振興・雇用創出や再生可能エネルギー推進を支援

【SDGsロゴ】ジェンダー平等を実現しよう

【SDGsロゴ】エネルギーをみんなに そしてクリーンに

【SDGsロゴ】働きがいも経済成長も

2022年12月21日

本ファンド出資先の総合病院拡張事業

本ファンド出資先のデジタル技術を活用した物流効率化事業

本ファンド出資先の小規模水力発電事業(イメージ図)

調印式の様子

国際協力機構(JICA)は、12月19日、Dolma Fund Management(DFM)社が運営するインパクト投資ファンドであるDolma Impact Fund IIに対する1,000万ドルの出資契約を調印しました。JICAの出資金は、ネパールを中心とした開発途上地域におけるヘルスケアやIT・デジタル分野等の企業及び再生可能エネルギー事業への出資金に充当されます。本案件は開発金融機関である国際金融公社(IFC)や米国国際開発金融公社(DFC)、英国国際投資公社(BII)、オランダ開発金融公庫(FMO)、スウェドファンド(Swedfund)との共同投資案件として実施します。今般のJICAの出資は同ファンドのファイナルクローズの一部であり、JICAの出資により同ファンドの資金規模は7,196万ドルとなります。

ネパールは2015年に発生した震災による一時的な経済不況を経験したものの、その後震災からの復興を遂げ、2026年には後発開発途上国(LDC)を卒業する見込みです。しかしながら、同国では有望な国内産業が育っていないため、海外への出稼ぎ労働者が増加し、国内経済が空洞化しており、国内産業育成が求められています。また、同国は活用可能な水力発電容量42,000MWと豊富な水力発電開発ポテンシャルを有しており、水力発電を中心とした再生可能エネルギーの開発を推進することで、南アジア地域の温室効果ガス排出削減に寄与することが期待されています。

DFM社は、主にネパールにおいて①ヘルスケア企業、②IT・デジタル企業、及び③再生可能エネルギー事業等への出資を行い、さらに出資先企業への技術協力を実施することで、同国の産業振興・雇用創出や再生可能エネルギー推進を支援するインパクト投資ファンドを運営しています。また、株式市場やPE(プライベート・エクイティ)ファンド市場が萌芽期にあるネパールにおいて、同社が運営するファンドがファンド組成やPE出資活動を牽引することで、同国の株式市場・PEファンド市場のさらなる発展に貢献することも期待されます。さらに、本ファンドは、ジェンダーの視点も含めたインパクト投資を行う方針であり、「2X Challenge: Financing for Women」(*)の適用案件となります。本事業は、DFM社による上記のインパクト投資活動を支援することで、SDGsゴール5(ジェンダー平等を実現しよう)、ゴール7(エネルギーをみんなに そしてクリーンに)、ゴール8(働きがいも 経済成長も)に貢献します。

JICAはこれまで円借款事業や技術協力事業を通じ、ネパールにおける産業振興や再生可能エネルギーの推進、投資環境の改善等に取り組んできました。これらの支援を土台として、本事業において民間企業によるインパクト投資活動を一層推進することで、ネパールにおける産業振興や再生可能エネルギー推進、投資環境改善を支援していきます。

(*)2X Challenge: Financing for Women:2018年6月のG7にてJICAを含む各国の開発金融機関が採択したイニシアティブ。女性の経済的エンパワーメントに資する案件に対して2020年までに30億米ドルの資金動員を図ることを掲げました。2021年には同取り組みを更に拡大すべく、2021年から22年の2年間で150億米ドルの資金動員を図る目標を設定しました。2Xは女性への投資の量及び効果を倍増させるという目標を示しています。