バングラデシュ「グリーンファイナンス推進事業」に対する融資契約の調印(海外投融資):気候変動の緩和や環境問題の改善に貢献

【SDGsロゴ】安全な水とトイレを世界中に

【SDGsロゴ】エネルギーをみんなに そしてクリーンに

【SDGsロゴ】1気候変動に具体的な対策を

2023年1月17日

BRAC Bankが融資した縫製工場のルーフトップソーラー発電事業

調印式の様子

国際協力機構(JICA)は、2023年1月10日、バングラデシュの金融機関BRAC Bank Limited(BRAC Bank)との間で9,000万米ドルの融資契約を調印し、1月12日に調印記念の式典を実施しました。本融資の資金は、バングラデシュ中央銀行が定めるグリーンファイナンスに合致する事業への融資に活用され、同国における気候変動の緩和や環境課題の改善に寄与するものであり、Citibank, N.A.との協調融資により実施されます。

バングラデシュは堅調な経済成長に伴って一次エネルギー需要が増加しており、これまでの天然ガスへの依存度が高い状況を改善すべく、再生可能エネルギーや省エネルギー機器の導入を進めています。また経済の急速な発展に伴い、同国の主要産業である縫製業や皮革産業からの工場排水が増加しているものの、十分な有害物質の処理をされずに近隣の河川に放流されている状態であり、工業排水処理能力の向上が早期に求められる状況です。

近年、バングラデシュ政府および中央銀行はグリーンファイナンスを含むサステナブルファイナンスに関する定義や指針、対象となりうる資金使途等を示すことで、同セクターへの投資促進を実行しています。その一環として策定・公表された「銀行・金融機関のための持続可能な金融政策(”Sustainable Finance Policy for Banks and Financial Institutions”)」に準拠した貸出を拡大させる政策を取っています(注1)。本融資は世界最大規模のNGOであるBRACを母体とし、同国有数の民間金融機関の一つであるBRAC Bankが行うグリーンファイナンスの取組を後押しするもので、バングラデシュの民間金融機関に対する初の融資案件となります。

本融資は、バングラデシュの再エネ・省エネ・産業排水処理等の環境課題解決に資する取組への金融アクセスを改善することで、同国における気候変動の緩和や環境課題の改善に寄与するものであり、SDGs(持続可能な開発目標)ゴール6(安全な水とトイレを世界中に)、7(エネルギーをみんなに そしてクリーンに)、13(気候変動に具体的な対策を)に貢献します。JICAは、今後もバングラデシュを含め世界各国における気候変動対策分野への支援を継続していくとともに、同分野に対する民間資金の動員を進めて参ります。

(注1)バングラデシュ中央銀行が2020年12月に定めた”Sustainable Finance Policy for Banks and Financial Institutions”の中で、バングラデシュ国内の金融機関は証書貸付総額の5%以上をグリーンファイナンスに充当させることが義務付けられています。