田中理事長がインドを訪問

2023年3月22日

モディ首相と

シタラマン財務大臣と

ジャイシャンカル外務大臣と

海外協力隊の活動を視察

デリーメトロ試乗中の様子

ムンバイ湾横断道路を視察

ムンバイ・アーメダバード間高速鉄道建設事業の現場を視察

田中明彦JICA理事長は、3月8日から14日にかけてインドを訪問しました。インドとの二国間関係において、2022年は日印国交樹立70周年の節目の年であり、今年は日本がG7の議長国、インドがG20の議長国を務めており、両国の協力は一層重要になっています。

田中理事長はモディ首相、シタラマン財務大臣やジャイシャンカル外務大臣を始めとする政府要人と会談したほか、協力事業を視察し、日本のODA最大規模のパートナー国であるインドとの関係強化を確認しました。

モディ首相との会談では、今後のインフラ分野の協力について意見交換を行い、かつて安倍元首相とモディ首相の間で実施が合意され、日印友好のシンボルでもあるムンバイ・アーメダバード間高速鉄道建設事業の着実な実施について意見が一致しました。また、教育分野の日印連携について意見交換し、モディ首相は日本式教育、日印間の大学連携やインド人学生の日本への留学の促進について関心を示しました。

シタラマン財務大臣との会談では、同大臣より、インフラ分野の協力に加えて、社会セクターを含む多様な分野・地域への協力への感謝が述べられました。また、インドは単なる被援助国ではなく、事業の完成や質に責任を持てるパートナーであるとして、日印関係者間の一層の連携強化についても意見が一致しました。

ジャイシャンカル外務大臣との会談では、さらなる日印関係強化に向け、インフラ分野の協力に加えて、日本語教育や技能実習などの分野での日印の人材交流強化に向けた協力について意見交換が行われました。また、インド北東部地域とバングラデシュ・マタバリ港の連結性向上の重要性を確認しました。

この他、カントG20シェルパ(インド政策委員会(NITI Aayog)元総裁)、シンデマハラシュトラ州首相と面談し、G20会合、既往案件の進捗状況や今後の協力について意見交換しました。

また、田中理事長は、海外協力隊の活動現場である盲学校で指圧マッサージ指導を視察し、隊員及び実施機関の取り組みを讃し、隊員の活動を通じ障害者の社会参画の機会が拡大することを期待すると述べました。

さらに田中理事長は、日本が開業当初から現在まで20年以上にわたり協力を実施し、日印協力のシンボルとなっているデリーメトロに試乗しました。メトロの駅に併設されたメトロミュージアムでデリーメトロ総裁等からの説明を受け、安心・安全なデリーメトロがデリー市民の生活の質を向上させ、女性の通勤を容易にし、社会参画の促進にもつながったことを称えました。

ムンバイでは今年中の完工が期待されるムンバイ湾横断道路建設事業及びムンバイ・アーメダバード間高速鉄道建設事業の工事現場を視察しました。田中理事長は事業の進捗や安全第一で工事を進めていくことを確認するとともに、ムンバイ都市圏の連結性向上がもたらす経済的・社会的なインパクトへの期待を述べました。

JICAは、今後も資金協力、技術協力、海外協力隊の派遣などを通じ、インフラ整備や社会セクター開発を支援し、より一層のインド経済社会の発展と日印関係の緊密化に貢献していきます。