インド「農業セクター支援事業」に対する融資契約の調印(海外投融資):農業セクターの金融アクセス改善に貢献

【SDGsロゴ】貧困をなくそう

【SDGsロゴ】働きがいも経済成長も

【SDGsロゴ】1パートナーシップで目標を達成しよう

2023年3月27日

国際協力機構(JICA)は、2023年3月23日、インド共和国の金融機関インダスインド銀行(IndusInd Bank Limited)との間で、農業従事者の金融アクセス改善及び農業の生産性向上促進を図るため、130億円を限度とする融資契約を調印しました。本融資の資金は、農業セクター事業への融資に活用されます。本事業は、Citibank N.A.との協調融資として実施します。

インド経済において農業セクターはGDPの約17%、雇用の約5割を占める重要なセクターです。しかしながら農家の所得水準は、都市部の労働者と比較して5割程度と低水準に留まります。農家の所得改善に向け、農業の生産性向上のため、農業セクターにおける設備投資を更に促進するべく金融アクセスの改善が早期に求められています。

近年、インド政府および中央銀行はPriority Sector Lending(注)を掲げ、農業セクターへの融資の促進を図っています。本事業は、同国有数の民間金融機関の一つであり、地方部に多くの拠点を有する強みを活かし農業セクター向けの貸付の強化を図っているインダスインド銀行の取組を後押しするものです。本件資金は、銀行を通じて農家に融資され、農業資機材、高品質の種子、必要な肥料等の購入資金や設備投資資金に活用される予定です。

本融資は、インドの農業セクターの金融アクセス改善を図ることで、同国における格差是正に寄与するものであり、SDGsゴール1(貧困をなくそう)、8(働きがいも経済成長も)及び17(パートナシップで目標を達成しよう)に貢献します。さらに、世界情勢の不安定化によって食料価格の高騰や供給不足が懸念される中、インドにおける農業の生産能力の強化を通じて、食料安全保障の確保にも資するものです。JICAは、今後もインドを含め世界各国における農業セクターの金融アクセスへの支援を継続していきます。

(注)インド準備銀行「Master Circular-Priority Sector Lending-Targets and Classification」。定められている優先分野は、①農業、②MSME、③輸出信用、④教育、⑤住宅、⑥社会インフラ、⑦再生可能エネルギー、⑧その他。農業部門には貸付の18%を割りあてることが課されている。