所長あいさつ

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アフリカの赤道直下に位置する四国の1.5倍程度の小さな国、ルワンダ、その名前から1994年に起きた大虐殺(ジェノサイド)を思い起こす人も多いのではないでしょうか。大虐殺から20年以上が経過したいま、ルワンダの人々はその悲劇を繰り返さないために過去に向き合い、未来に向けて歩み続けています。

千の丘の国とたとえられるルワンダは、赤道直下にありながら平均標高が1,600メールであることから、年間を通じて平均気温が25度と穏やかな気候に恵まれ、エアコンなしで生活できる環境にあります。また穏やかな気温と適度な降水量は農業を発展させ、丘の斜面に作られた段々畑は、アジアの農村を彷彿させる光景となっています。そのような穏やかな自然環境に恵まれていることもあり、ルワンダは小さな国土にもかかわらず1,000万人を超える人々が暮らしており、アフリカの中でモーリシャスに次いで2番目に高い人口密度となっています。

内陸に位置し石油資源等を有しないルワンダは、ジェノサイド後の国の発展の方向性を、知識集約型経済に移行するという野心的な開発戦略に求めました。その結果、2000年以降、平均7%を超える経済成長を続けており、「アフリカの奇跡」と称されています。また2015年の世界銀行によるDoing Businessという企業活動の容易さのランキングによれば、ルワンダはサブサハラアフリカの中ではモーリシャスに次いで第2位となっています。実際に新規に会社を設立するための手続きは、サブサハラアフリカの平均が26.8日必要であるのに対し、ルワンダは5.5日とOECD高所得国の平均8.3日よりも短くなっています。

成長を続けるルワンダは2014年にアフリカ開発銀行総会、2016年5月にワールドエコノミックフォーラム、2016年7月にアフリカ連合総会を首都キガリで開催するなど、国際会議の招聘に積極的で、そのための国際会議場が2016年7月に開設、またホテルなどの開業も続いています。さらにルワンダは観光開発にも力を入れており、コンゴ国境に接するヴォルカン国立公園は野生のマウンテンゴリラを間近で見ることのできるトレッキングコースが有名で、世界中から多くの観光客が訪れます。またルワンダはスペシャリティーコーヒーで有名であると同時に、紅茶も高品質な茶葉を生産しています。

このように開発ポテンシャルは非常に高いルワンダではありますが、まだまだ開発課題は他のアフリカ諸国と同様に少なくありません。また2015年4月から兼轄となった隣国ブルンジは、2003年に内戦が終結し再興の途にある国で、貧困度合も大きく国の基礎作りの支援が求められているものの、国内情勢の悪化から2015年5月以降、多くの事業が中断した状態となっています。日本から遠く離れたルワンダとブルンジ、そこに住む人々が健康で安心して暮らせる国づくりに貢献できるよう、私たちJICAも両国の過去に向き合いつつ、未来に向けて信頼されるパートナーとして伴に歩み続けられるように努力し続ける所存です。

JICAルワンダ事務所
所長 高田 浩幸