所長あいさつ

サモアは政治的に安定しており、太平洋地域の中で果たす役割が大きくなっています。他方、経済規模が小さい島嶼国で脆弱性が高く海外居住者の送金と国際協力に依存しており、経済的自立には困難が伴っています。日本のサモアに対する支援は人口1人当たりの支援額やボランティア派遣の実績が大きく、日本に対する信頼と期待が大きくなっています。

サモアにおけるJICA事業は、青年海外協力隊派遣に始まりました。1971年にサモアとの協力隊派遣取極が締結され、1972年から協力隊員の派遣を開始し、1975年にはサモアに協力隊調整員事務所を開設しました。同じ頃から技術協力による日本への研修員受入れも開始し、続いてサモアへの専門家派遣を開始して、1977年からは無償資金協力を開始しています。1988年にはJICAサモア事務所を開設し、1992年にシニア海外ボランティア派遣を開始しました。その後2008年の新JICA発足により技協、無償、円借款、ボランティア事業等を統合し、同年からJICAサモア支所になりました。

JICAは現在サモアにおける重点分野として、環境・気候変動分野に対し、廃棄物管理、水道施設整備管理、気候変動対策、気象観測等の協力、また、経済成長基盤分野に対し、電力、港湾、船舶、橋梁の各施設整備等の協力を中心に技協、無償、円借款による支援を実施するとともに、教育分野をはじめ各分野への協力隊等ボランティアを派遣し、各分野の研修員受入れを行っています。

特に、アピア港整備や島嶼間連絡船等の港湾及び海運分野等に対する支援、太平洋地域環境計画(SPREP)との連携等による環境及び気候変動大洋州地域支援、提案型事業・無償・技協の連携を通じた沖縄との連携等による水分野支援については、集中的に協力を実施してきました。これらの分野については今後も継続的に支援していきたいと思います。また、サモアが太平洋地域の中で果たす役割が大きくなっている中で、廃棄物管理については大洋州地域への広域支援を実施してきており、気候変動対策についても広域支援を開始しますが、今後、他の分野についても広域支援の可能性を考えていきたいと思います。

JICAサモア支所
田中俊昭