母子手帳導入試験調査

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プロジェクト背景と課題

UNDPの2018年人間開発指標(HDI)によると、シエラレオネは189か国中184位と最も開発の遅れた国のひとつに位置付けられており、平均寿命(52.2歳)、5歳未満児死亡率(113.5/1,000出生)、妊産婦死亡率(1,360/100,000出生)等の指標は世界的にきわめて低い水準にある。

現在シエラレオネでは、妊娠期検診カードと5歳未満児カードを導入し、検診結果・予防接種歴などを記録しているが、これらは保健ワーカーが活用するための記録であり、十分な教育レベルにない妊産婦・家族がこれらを活用することは、難しい状況にある。また妊娠・出産カードと5歳未満児カードが別々になっていることから、疾患など問題を抱える新生児・乳幼児の出産時の状況が把握できず、的確な診断・治療の妨げになっている。

これらを踏まえ、保健衛生省では母子継続ケア・妊産婦・家族の知識の向上の必要性を認識していた。日本での課題別研修などで日本が開発し世界に広めた母子手帳に関して学んだことが契機となり保健衛生省帰国研修員を中心に母子手帳導入の動きが活発化しており、JICAに母子手帳開発・導入活動への支援が要請された。

プロジェクト概要

シエラレオネ版母子手帳を開発し、対象保健施設での試験的導入を実施する。

  • 上位目標:シエラレオネに適用できる母子手帳の開発
  • プロジェクト目標:シエラレオネにおける母子手帳導入実現可能性の検証
  • 投入:シエラレオネ母子手帳作製費用、母子手帳印刷費、調査活動費用(モニタリング旅費、関係者・識者会合開催費など)

主な活動