所長あいさつ

「信頼」で平和の定着・促進の力になりたい

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南スーダンは2011年7月に独立した世界で一番若い国です。独立当初からJICAは事務所を開設し、国づくり支援を開始しました。

南スーダンと聞くと、日本と同国の関係では、当地の国連平和維持活動(PKO)に日本の自衛隊施設部隊が派遣されたことをご存知の方が多いと思います(なお、施設部隊は2017年5月に活動を終了し、現在は司令部要員が派遣されています)。

しかし、独立後は、国内の権力抗争が引き金となって2013年12月に衝突が発生。2015年8月に両勢力による衝突解決合意が成立しましたが、2016年7月に再び衝突。以来、JICAは邦人スタッフが隣国ウガンダの首都カンパラに退避し、遠隔での支援を展開してきました。

カンパラからの遠隔支援体制が約2年経過し、安全確認の結果、首都ジュバ市で大規模な武力衝突が発生する可能性が低いことが確認されました。2018年8月には日本政府の決定もあり、JICAは邦人スタッフのジュバ市常駐を再開しました。

そこでこのたび、ジュバ市に邦人不在の空白の2年間を経て、私が南スーダン事務所長を拝命し、カンパラから帰還したスタッフとともに、8月に着任いたしました。おりしも、南スーダンは、両勢力の和平合意交渉が前進し、予断を許さない状況ながら、みたび平和構築に向けて前進し始めたところです。

しかしながら、同国が国家建設を進めていくうえでの課題は膨大にあります。

いまだ国民の約3分の1もの方々が難民化し、国内外に退避しているような状況の中、人道支援とともに、開発支援も併せて進めていくことが求められます。橋梁、道路、電力などの基礎的なインフラや、水供給、教育、保健などの社会サービスは、依然として致命的に不足しています。そもそも国家は人なり。国民間の信頼関係が醸成されていくことが治安の向上に不可欠です。

こうした様々な課題がある中、JICAは日本政府の掲げる「平和の定着・国家建設」に貢献すべく、当地の日本大使館と密接に連携しつつ、各国援助機関、国際機関、NGOとも協力し、

1)橋梁や水供給などの「基礎経済、社会インフラの整備」
2)農業などの「代替産業の育成支援」
3)教育、職業訓練などの「基礎生活及び生計向上支援」
4)スポーツを通じた平和促進や警察、メディア、税関などの「ガバナンス、治安能力向上支援」

の4つの柱をたて、重点的に取り組んでまいります。

私は、これまで、西アフリカのガーナ、東アフリカのタンザニアに在勤し、今回3度目のアフリカ勤務となります。これまでの経験から、アフリカにおける日本への信頼は非常に高いものがあり、日本だからこそできる協力があると確信しています。ここ、南スーダンでも、JICA関係者が一丸となって、信頼されるパートナーとして寄り添いながら、南スーダンの国づくり、平和の定着推進に向け、力になっていきたいと思います。

2018年9月
JICA南スーダン事務所長
友成晋也