所長あいさつ

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2011年7月9日に独立した南スーダンはその後、国家建設に向けた様々な取り組みがなされてきました。しかしながら、不幸にも2013年12月15日に首都ジュバで国軍内のキール大統領派(政府側)とマシャール前副大統領派(反政府勢力)による銃撃戦が発生し、その後戦闘はジョングレイ州、上ナイル州、ユニティ州等各地に拡大しました。各国の援助機関やNGOの多くも国外退避し、2013年12月下旬にJICAも全関係者が国外退避を余儀なくされました。しかし、国外退避となった状況下においても、南スーダン事務所は、JICA市ヶ谷ビルに分室を設置し、2014年4月からはウガンダの首都カンパラに移転し、遠隔での支援を展開してきました。そして、2014年10月24日の外務省の渡航情報の引き下げに伴い、JICA南スーダン事務所員も11月にジュバへの帰任となり、今後は、順次、治安状況を見極めつつ、関係者の派遣が見込まれるなか、これまで中断していた様々な支援を再開することになります。

現在も和平合意交渉は継続され、今後とも予断を許さない状況にありますが、南スーダンは「平和の定着・国家建設」に向けてきわめて重要なステージにあります。グローバル化のうねりのなか、南スーダンは多くの国に隣接しており、国境を越えた多様な接触、交流、軋轢が展開しています。国内においてもいまだ様々な課題を抱えています。南スーダンの混乱が継続することは南スーダンのみならず、近隣諸国やアフリカ、中近東、さらには、その他地域に対しても大きな影響を与えることになるでしょう。そのためには、和平合意の達成と現在中断されている支援を速やかに実施に移し、目に見える形としてその果実を広く国民が共有できるようにしていくことが重要になっています。また、紛争終結後の人道支援と開発支援のシームレスな事業展開が今後、ますます重要になってきます。

かかる状況のなか、南スーダンは今もなお、依然として保健、教育、水供給などの基本的な社会サービスや、電力、道路などの基礎的なインフラが決定的に不足している状態にあります。また国内でも家畜争いに端を発する民族間紛争や反政府勢力及び政府軍間での散発的な戦闘が続いています。さらに今回の紛争によって発生した国内避難民の定着・社会への統合も大きな課題となっています。これら課題解決に向け、JICAは日本政府の掲げる「平和の定着・国家建設」に貢献することを目指していきます。また、国連平和維持軍(PKO)への日本の自衛隊施設部隊が国民の大きな期待を背負って派遣され、現在も南スーダンで大きな役割を果たしています。今後も、在南スーダン日本大使館ならびに日本の自衛隊と密接に連携しつつ、さらに、各国の援助機関やNGOとも協力しながら、JICAは長期的な視野をもって支援を行っていきますのでみなさんの協力をよろしくお願いします。そして、みなさんも一緒に南スーダンの明日について考えてみませんか!