コメ振興支援計画プロジェクト

  • 種別:技プロ
  • 案件名:コメ振興支援計画プロジェクト
  • 実施地域:全国
  • 協力期間:2012.11〜2019.12
  • 実施機関:農業省
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タンライス2の研修で直線植えを実践する農民

タンザニアにおいて、コメはメイズに次ぐ穀物生産量を誇る重要な作物です。コメの消費量は年々増加しており、消費の増大に国内生産が追いつかず海外からの輸入に頼っている状況で、コメの増産が食糧安全保障上の課題となっています。また、コメは技術的観点から生産増のポテンシャルが高く、換金作物であることから、農業の商業化をめざす上でもコメの増産は重要といえます。こうした背景から、タンザニア政府は「国家コメ開発戦略」を2009年に策定し、灌漑稲作を中心にコメの増産を図り、2018年には2008年の約2倍に当たる約196万トンのコメを生産することを目標に掲げています。

日本は1970年代から、キリマンジャロ州モシ県における灌漑稲作の発展に貢献してきました。その結果、同県の灌漑地区のコメの生産性はタンザニア全国平均を大きく上回る6t/haを達成することに成功しました。90年代からは、この成果を全国に広げるため、キリマンジャロ農業技術者訓練センター(Kilimanjaro Agricultural Training Center:KATC)を拠点として、灌漑技術者・農家の育成やモデル地区の農家に役立つ研修手法の確立とその実施により、コメ生産性の改善を支援してきました。2007年から2012年にかけて実施した灌漑農業技術普及支援体制強化計画プロジェクト(通称タンライス)では、過去の協力により確立された研修を、KATCに加えて新たに4ヵ所の農業研修所(合計5ヵ所)でも実施し、さらに多くのタンザニアの農家がコメの増収を達成するのを支援しました。

その成果を受け、本プロジェクト(通称タンライス2)では、さらに2ヵ所の農業研修所を拠点に加え(合計7ヵ所)、研修を通じた灌漑稲作技術の普及を全国に展開することを目指しています。また、貧困削減という観点からは灌漑稲作のみならず、天水畑地稲作、天水低湿地稲作の振興も必要であることから、天水稲作技術(畑地及び低湿地を含む)の普及に向けた研修手法の開発を図っています。さらに、生産のみならず、収穫後処理、マーケティングまでを含めたコメ産業バリュー・チェーンの強化が必要であることを踏まえ、コメ産業バリュー・チェーンにかかる研修の強化を図ります。これらの活動を通じて改良された研修が全国で採用、実施されることにより、全国のコメ生産量の増大に寄与することを本プロジェクトは目指しています。

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