S-TOP第9回ワーキング・チーム会議をオンラインで開催

2020年6月17日

2020年6月9日にタイ保健省事務次官室保健行政部とオンライン会議システムをつなぎ、S-TOP第9回ワーキング・チーム会議を開催しました。タイ保健省の関係部局(事務次官室保健行政部、医療サービス局、保健局、精神保健局)、社会開発人間安全保障省高齢者局、国民医療保障事務局、バンコク都保健局・社会開発局、ラチャピパット病院(バンコク)の関係者ら、合計34名が出席しました。JICA職員と日本人専門家は日本からオンラインで参加しました。

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保健省とオンラインでつないだ会議

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活動報告を行う米田専門家

プロジェクト長期専門家の米田裕香専門家(リハビリテーション・高齢者ケア)からは、プロジェクトの6か月間の活動報告を行いました。米田専門家は、現在8つのパイロット・サイトにおいて中間ケアサービス計画の実行段階にあると説明しました。過去半年間で、パイロット・サイトで行われたモニタリングの結果を「サービスデリバリー」「人材育成」「リファーラル情報システム」「財政」「患者と家族の参加」の5つの切り口から分析しました。

サービスデリバリーにおいては、S-TOPの活動を実施している5つの急性期病院と9つのコミュニティ病院において、中間ケアの実施前と実施後で患者のADL(日常生活動作)の増加が見られることがデータで明らかになりました。患者と家族の参加に関しては、熱心な取り組みが見られるスラタニ県バンナードーム病院の事例などを紹介しました。更に、2019年8月と2020年1月~2月にタイのプロジェクト関係者を日本に招き、北海道や愛知県、長野県のリハビリテーション病院・地域包括支援センター等で実施した研修結果についても報告しました。

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患者・家族の参加に取り組む事例紹介

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2020年1月日本研修の報告

米田専門家からの報告の後は、2020年3月以降の新型コロナウィルス流行の影響を受けた各パイロット・サイトの活動状況の情報収集について、関係者間で意見交換を行いました。また、新型コロナウィルスの影響を受けて、今年秋にかけてプロジェクト全体の活動計画の見直しも図っていくことが確認されました。

会議の後半では、保健省医療サービス局老年病医学研究所から高齢者中間ケアに関する2019年の実績と2020年~2021年の活動計画が発表されました。特に、保健省医療サービス局が計画する高齢者中間ケアのパイロット事業の実施においては、S-TOPからの技術的な情報提供や、S-TOP実施機関との連携が期待されました。

新型コロナウィルスの流行により保健省や関係機関が対応に追われる中で、4か月ぶりに行われたワーキング・チーム会議でしたが、関係機関の連携を強化して活動を進めていくことの重要性を再認識できた会議でした。

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活動報告を行う保健省職員

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保健省内の会議室の参加者