所長あいさつ

チュニジアは、北アフリカの地中海沿岸に位置し、白と青の建物が並ぶ美しい風景が有名な国です。一方、2011年の革命以降、政治の混乱とともに経済は停滞し、そこにコロナ禍やウクライナ戦争の影響などで困難な経済状況にあります。難しい政策の舵取りを迫られる中で、チュニジア政府は、革命の一因となった地域間格差や高失業率の課題、また社会安定化の基盤となる経済発展などを優先課題として掲げています。

これを踏まえ、日本政府は、チュニジアの安定と成長を図ることが民主制の定着、さらに中東・アフリカ地域全体の平和・安定にも資するとして、質の高い経済成長に向けた開発協力を基本方針とし、経済インフラ・人材育成・治安維持能力強化、また地域間格差の是正などの分野で協力を進めています。

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JICAによるチュニジアへの協力の歴史は、1975年にさかのぼります。
これまでの協力の例としては、インフラ分野では、ラデス‐ラグレット橋、ラデス発電所A、チュニス首都圏通勤線、国営テレビ放送センター、北部地域からの導水事業の他、最近では、ラデス発電所C、スファックス海水淡水化施設、メジェルダ川や首都圏の洪水対策やガベス・メドニン間高速道路があげられます。

また人材育成については、長年にわたる品質/生産性向上(カイゼン)や、日・チュニジア大学機関間の科学技術協力の他、地域間格差の是正に関しては、零細漁業支援や上下水道施設整備を支援してきました。さらに、パンデミックや物価上昇などの影響で失業率や貧困率が上昇している状況を踏まえ、同国の貧困・脆弱層の生活改善などを後押しすることを目的とした円借款事業を実施しています。

加えて現在まで、計約530人の海外協力隊(ボランティア)や1700人以上のチュニジア人研修員の派遣実績があります。

今後もJICAは、チュニジア政府や国内外の様々なアクターと協議をしながら、これまでのつながりや信頼関係をより強固なものとし、チュニジアの発展に貢献していきますので、皆さまのご協力ご支援を賜りますようお願いいたします。

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JICAチュニジア事務所長 宮田 真弓

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