所長あいさつ

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こんにちは、チュニジア事務所長の江種(えぐさ)です。
当事務所は、チュニジアのほか、アルジェリアを担当しています。

アルジェリアといえば、皆さん、何を連想されますか?
2017年は、日本・アルジェリア国交55周年です。国交55周年記念式典の際、アルジェリアの方より、「フランスとの独立戦争の際、日本より支援していただいたことに感謝」とのスピーチがあったそうです。こうしたことをきっかけに、独立後も現在に至るまで、友好な関係を維持し、1980年前後には、日本企業の活動も活発になり、在留邦人が3000人を越える時期もありました。
アルジェリアは、アフリカ大陸第4位の経済規模を擁し、政治、経済の大国ですが、天然資源に依存した経済構造の脱却に向け、産業の多角化に取り組んでいます。JICAは、アルジェリアの経済構造改革を支援するとともに、大規模市場として魅力のあるを同国への日本企業の進出を後押しできるよう協力を展開していきたいと考えています。

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さて、チュニジアは、如何でしょうか?
チュニジアは、イタリアの対岸に位置し、地中海の青い海と青い空に囲まれた美しい国です。

カルタゴという言葉は、歴史に詳しい方でなくとも、聞いたことがあるのではないでしょうか。チュニジアの歴史は、カルタゴに始まります。日本が、まだ縄文時代から弥生時代にかけての頃ですが、紀元前8世紀頃、フェニキア人によって、チュニス近郊に建設された都市国家がカルタゴです。ローマ帝国との戦いに敗れ、紀元前2世紀に滅亡するまで、地中海最大の商業都市として栄えました。卓越した戦術家として、ローマ史上最強の敵とも恐れられたハンニバル将軍を生み出したのもカルタゴです。その後、ローマ帝国による支配、イスラム教の普及、オスマン帝国の支配、フランスからの独立など経、現在の民主国家に至るまで、波乱万丈の歴史絵巻が繰り広げられました。

皆さんは、2011年、チュニジアが起点となった「アラブの春」を覚えていらっしゃいますか?チュニジアは、「アラブの春」により、民主国家として成立した唯一の国です。この国は、アラブの国々で、はじめて、自ら民主的な憲法を制定し、国会議員選挙、大統領選挙を平和裏に実施しました。現在では、日本を含む先進諸国と基本的人権、自由、民主主義、法の支配など、普遍的価値を共有できる国に生まれ変わりました。

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民主国家チュニジアの安定は、中東・北アフリカの安定のみならず、世界の繁栄と平和に貢献するものと確信しています。特に、世界と密接に繋がり、相互依存のなかで生きる日本にとって、世界が平和で繁栄することは、死活問題です。チュニジアの安定に向け、JICAの果たすべき役割は、今まで以上に大きいと考えます。

現在のチュニジア政府は、民主化成功以降、鈍化した経済成長を回復させるべく様々な対策を講じています。そしてJICAは、大きな課題である「雇用の創出」と「沿岸部と内陸部の格差是正」に対し、多様な協力を実施しています。

たとえば、産業競争力の強化を目指し、製造業大国日本が創り出した「カイゼン」手法の導入、日本企業と連携したチュニジア産オリーブオイルの輸出振興、チュニジア産品のクラスター開発による付加価値向上といった技術協力、また、一日10万トンの飲料水を供給し、60万人の地域住民の生活改善に貢献する海水淡水化施設の建設、チュニジアの総電力量のうち、10%のを電力供給を可能とする火力発電所の建設など、日本企業が優位性を発揮する分野で資金協力を実施し、チュニジアの経済再生を支えています。

私の自宅からは、チュニジアの人々の通勤や物流を支える、日本の協力で完成したチュニス湖を跨ぐ美しい橋、ラデス・ラグレット橋(全長260m)が、今日も真っ青な青空のもと輝いて見えます。

JICAは、アルジェリア、チュニジアの国づくりに、引き続き、貢献して参ります。

2017年8月
JICAチュニジア事務所長
江種 利文

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