所長あいさつ

近年トルコは安定的な経済発展を遂げています。トルコの一人当たりGDPは10,000ドルを超え、人口も8000万人を超える規模となり、その経済的潜在力に期待が高まっています。G8とEU(欧州連合)、11新興国から構成されるG20メンバーの一つとして、国際社会において果たす経済的役割が大きくなってきており、新興ドナーとしても一層の活躍を求められています。また、トルコは、アジア・中東及びヨーロッパをつなぐ、地政学的に重要な場所に位置し、周辺地域に大きな政治的影響力も持っています。シリア内戦に伴い、近年、300万人を超えるシリア難民を受け入れており、世界最大の難民受け入れ国として、国際社会の重大な課題に貢献しています。

トルコと日本との間の特別な二国間関係も忘れてはいけません。1890年の軍艦エルトゥールル号の遭難時には日本人による献身的な救出が行われ、1985年イラン・イラク戦争時には、トルコ政府はトルコ航空機2機をチャーターし、イラン在留邦人200名以上をトルコ人に優先して救出してくれました。更に、1999年マルマラ地震における日本の緊急援助隊派遣、2011年3月東日本大震災におけるトルコ政府の緊急援助隊の派遣など、両国にはこれまでの強い結びつきがあります。トルコには、ビザンツ帝国、オスマン帝国時代などの遺跡が多数存在し、その歴史は、メソポタミア、さらには、人類が農耕を始めた時期までさかのぼります。長い歴史、それに根差す豊かな文化、また、親日的な国柄など、非常に魅力的な国です。

トルコは経済発展を果たす中で、アフリカ、中東、中央アジアなどへの支援を開始しています。JICAとトルコとの関係も、援助を供与し受け取るとの関係から、双方の国の課題解決や、よりよい国際社会の実現に貢献するため、お互いに協力し合う関係に移行していると考えています。過去50年間の協力により、日本とトルコとの間で広い人的ネットワークが構築され、日本の技術・人々への高い信頼感も育まれてきました。今後、これまでの協力の資産を活用して、日本企業の活動や自治体間の連携の拡大など、様々な方々による裾野の広い協力関係につなげていくことが、重大な責務となってきていると実感しています。私は、JICAとして、二国間の良い関係を、更に発展させるべく取り組んでいきたいと考えています。

できるだけ多くの日本の皆さま方に、トルコを知り、トルコに来て頂きたい、そして、できるだけ多くの方々とご一緒に活動をしたいと考えております。

JICAトルコ事務所
所長 安井 毅裕