トルコにおける日本研究設立支援プログラム「JICAチェア」ローンチング記念イベントを開催

2022年3月18日

JICAは、海外のトップクラスの大学等を対象に、日本の開発経験を学ぶ機会を国外にも広げることを目的とした「日本研究」の設立支援を行うプログラム「JICAチェア」を実施しています。2022年3月18日(金)、トルコにおける「JICAチェア」のローンチングを記念し、首都アンカラに所在するトルコのトップ大学、中東工科大学(METU)との連携の下、記念イベントをオンラインにて開催しました。

オンラインイベントでは、キョク中東工科大学学長及び北岡JICA理事長によるビデオメッセージによる開会挨拶の後、萱島JICA緒方研究所シニア・リサーチ・アドバイザーによる、「日本の近代化における教育」についての特別講義を開催しました。中東工科大学との連携講義は今回で2回目となりました。

今回のイベントは、中東工科大学の全学生及び教員に加え、トルコの日本研究拠点となる他大学や日本研究関係者も対象として実施し、トルコ教育省、ボアジチ大学、アンカラ大学、イスタンブール工科大学、ネヴシェヒル・ハジ・ベクタシュ大学等の主要な日本研究拠点を含む様々な教育機関からも参加がありました。また、日本、米国、ドイツ等の大学のトルコ研究関係者や、トルコ国内の日本関係のプラットフォーム関係者を含む、計100名以上の参加があり、トルコにおける日本研究関係者や日本におけるトルコ研究関係者を繋ぐプラットフォームとしての一歩を踏み出しました。

特別講義では、日本の近代化過程における農村部での教育、宗教と教育の関係、女性への教育、教育政策がどのように取り組まれてきたか説明があり、特に食育、清掃、集団活動を通じた児童の育成や、トルコでも社会課題となっている女性教育について、参加者から高い関心が集まりました。

コンダクジュ中東工科大学社会科学部長からは、日本とトルコの近代化過程には多くの類似点がある一方、日本と比較してトルコの教育にどのような問題があるのか、トルコ国内の議論が紹介されました。また、トルコの近代化における村落機関「キョイ・インスティテュート(村落部の教師を育成する学校。村落共同体全体の教育への寄与が評価されている。)」と日本の近代教育の目的が、社会全体の教育にある点において類似していること等の解説があり、日本とトルコの近代化における教育を比較する際の視点が提示されました。

講義参加者からは、トルコの近代化過程や現在の政策を見直すうえで、社会の発展基盤となる教育を比較することの重要性を再認識したことや、トルコと日本の近代化を比較するうえで新たな視点が得られたとの声が聞かれました。

田中JICAトルコ事務所長による閉会挨拶では、60年以上となるトルコとの協力の積み重ねの下、今後もトルコの様々な大学と連携・協力を行っていくことが説明されました。

【画像】

【画像】

【画像】