マンゴーのこどもたち

2019年12月1日

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左の木がマンゴーの木

隊員氏名:丸岡咲耶花
隊次:2017年度 1次隊
職種:小学校教育
任地:カビラウメア小学校
出身県:埼玉県

「マンゴーのこどもたち」は、任地カビラウメア小学校でビーズのアクセサリー制作を行い、日本で販売したときのプロジェクト名だ。学校の真ん中にあるマンゴーの木にはタイヤのホイールがぶら下がっていて、係の子どもがそれを鳴らして授業の始まりと終わりを告げる。帰りの集会を行うのも、そのマンゴーの木の下だ。そして子どもたちの制服はオレンジ色、マンゴーの果実の色だ。そんなマンゴー色の子どもたちは、熟れる前の酸っぱいマンゴーをかじりながら家に帰る。

約2年5カ月、この学校で過ごした。活動の内容は、算数、体育その他情操教育の指導。算数では、言葉の壁を乗り越え児童に伝える方法を模索し、求められている「算数の概念」を身に付けさせるためにいやになるほど試行錯誤を繰り返した。役に立った教材は作ったうちの半分ほど。それでも、児童が「わかった!」という顔をしたとき、算数が苦手な子と一緒にステップを一歩クリアしたときは、きっとその子ども以上に嬉しかった。

体育・図工・音楽にクラフト制作、クラブ活動などは、児童に新しい体験をさせること、努力する経験をさせることを目的とした。新しいものに物怖じしない代わりに飽きっぽい子どもたち。初めはいいが長期間同じ作業や練習をするのは難しかった。それでも、作ったクラフトがお金になったり、一生懸命やった子がサッカーの試合やダンスの披露のために首都カンパラへ行くことになったのを見たりして、努力はいいことだと、また頑張ることは楽しいと感じてくれたと思う。

学校の子どもたちの家庭事情は、ご近所さんでも様々だ。子どもたちと一緒に通学路を歩いて家を見せてもらったり、先生と一緒に複雑な家庭を訪問し保護者と話したりした。完璧なコミュニケーションは取れないが、学校に協力してくれてありがとうという感謝や、学校はあなたたちを見捨ててはいませんという誠意を伝えることが大事だと思ってやった。学校最終日、何度も感謝をしてくれた保護者たち、「あなたはわたしのお母さん」と手紙をくれた子どもたちがいた。少しは彼らの身内として認められただろうか。

2年5カ月で大きな成果は上げられなかったけれど、代わりに一緒に生活してきた人々がいつか成果を生み出すための種をばらまくことはできたと思う。ウガンダ人にもだいぶ近づいた。青いマンゴーは食べられないけれど。

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身近なものを教材に

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切ったり貼ったりするのを楽しむ図工

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2ヶ月毎日練習を頑張った選抜児童によるよさこい披露(ウガンダJapanese Festival)

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学費が払えず学校に来られなくなった子どもの家

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マンゴー色の制服