ウガンダの田舎町と東京オリンピックを繋ぐ

2020年3月10日

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スクリーンを見つめる生徒

隊員氏名:網代 健人
隊次:2018年度 1次隊
職種:体育
任地:カプチョルワ
出身県:東京都

私の任地“カプチョルワ県”は、ウガンダ東部に位置し、国内2番目に大きな山、エレゴン山の麓にある。“カプチョルワ”の名前の由来は、「Home of Friends」である。同じ民族の人間は彼らにとって、皆“友人”のような存在なわけである。そんなこの地に、東京オリンピックがどのように結びつくのか、疑問に思う人も多いと思う。実は、ウガンダのほとんどの長距離陸上選手は、ここカプチョルワでトレーニングをしている。オリンピックや世界陸上でのメダリストも輩出されており、東京オリンピックでのメダル獲得が期待される選手もいる。ところが残念ながら、地域住民のオリンピックへの関心度は、とても高いとは言えない。

次回のオリンピックが日本で行われること、任地にはメダル獲得有望な選手が多数いること、協力隊員が配属されていることなど、様々な条件が重なり、JICAウガンダ事務所の協力のもと、東京オリンピック企画として、日本及び協力隊事業について知ってもらう機会の提供を目的に、2つのイベントを実施した。今回は、第一弾のSKYPE交流について書きたいと思う。長野県立科町、この町が今回のオリンピックでウガンダ長距離陸上選手のホストタウンに指定されている町である。元ウガンダ協力隊員で現立科町地域おこし協力隊員の須藤さんの協力のもと、私の配属されている中高等学校の生徒と立科町の中学生によるSKYPE交流を行った。内容は、お互いが疑問に思う点や関心があることについて質疑応答を行うといったものであった。50分間という短い時間であったが、スクリーンに映し出される日本の生徒達の姿に会場全体が釘付けであり、彼らの真剣な眼差しをこの目でしっかりと見ることができた。交流の最後には、立科町側から東京オリンピックのホストタウンとして、カプチョルワの人達を受け入れる予定とのアナウンスもあり、オリンピックへの関心を促すことができたようにも感じた。今回の交流を機に自国以外の文化や伝統、生活に少しでも興味を持ってもらえたなら、それは一つの立派な国際交流であったと言えると思う。4年に一度のスポーツの祭典であるオリンピックは、世界中の人達に様々な形で、今日も笑顔を届けている。それは、ここ“ウガンダの田舎町”でも同様に。

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当日は、500人前後の生徒たちが集合

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立科町の中学生に質問をする生徒

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積極性抜群、質問したい人達