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隊員氏名:櫛山万葉
隊次:2018年度1次隊
職種:コミュニティ開発
任地:マユゲ県
出身県:千葉県
色とりどりのチテンジ(アフリカの布)
はじめまして。2018年度1次隊の櫛山万葉(くしやまかずは)と申します。首都・カンパラから東へ120kmに位置し、世界の面白い任地名ランキングがあれば上位に入るであろう、と個人的に思っている「マユゲ県」が任地で、職種はコミュニティ開発(水の防衛隊)です。
隣県のイガンガ県から2000年に分離・独立し、主な産業は農業という、いわゆる田舎の地域です。サトウキビが多く育てられており、幹線道路からマユゲ県の中心地までを繋ぐ道路の途中にある工場まで収穫したものを運ぶのに大型トラックが往来を繰り返しています。ただ、県内は基本的に未舗装道路のみとなっているため、特に雨季にはトラックが横転しているのをよく目にします。
そんなマユゲ県に水の防衛隊として派遣され何ができるかを考えましたが、井戸の管理については前任ボランティアの影響もあり料金徴収などもあまり問題がなかったため、別のアプローチでの活動を検討しました。そこで、手始めに地域のコミュニティリーダー数名と意見交換を行いました。その中で、「牛などの動物が井戸を壊す」という意見が挙がりました。周辺を歩く牛やヤギが井戸を壊し、水を飲んでしまうこともあるそうです。このような事故を防ぎたいという声が多かったため、フェンスの設置を目標とし、達成に必要な予算を得るためのクラフトビジネスに着手することとしました。
そこでコミュニティメンバーらと一緒に考えて、出てきたアイディアが「タイヤサンダルの製作」です。パンク等の理由で使えなくなった廃タイヤの活用と、「チテンジ」と呼ばれるアフリカ独特の布を組み合わせ、アップサイクル(注1)としてのサンダルの製作・販売をスタートしました。ウガンダは夏の気候が1年中続くので、サンダルを履いている人は多いです。また、チテンジは特に観光客などに人気なことや、タイヤのリサイクルもできて高いクオリティの商品を作れば、首都や観光地で売れるだろう、という期待からサンダルという発想に至りました。
実際に、1ペア50,000UGX(約13USD)の値段でギフトショップや隊員ドミトリーで販売し、販売初月の段階で1,500,000UGX(約400USD)の売り上げを記録し、予算確保に向けて順調な滑り出しとなりました。しかし、新型コロナウイルスの影響で3月に避難帰国の措置が取られ、残念ながら活動が停滞してしまいました。
ただ、嬉しいニュースもありました。私が帰国して1ヶ月が経つ頃に、サンダル販売を通じて得たお金から、地域内の井戸2基にフェンスを設置したという報告がありました。いつかウガンダに戻れたら、実物を見に行きたいと思います。
(注2)廃物をそのまま再利用(リサイクル)するのではなく、商品としての価値を高めるような加工を行う再利用のこと。
チテンジと廃タイヤを再利用したサンダル
コミュニティリーダーとの意見交換
サンダル製作現場の様子
井戸を保護するフェンスが設置されました
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