ウガンダでの活動を振り返って

2020年7月16日

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ピラミッド…あきらめずに頑張れ!!

隊員氏名:川並 浩司
隊次:2018年度2次隊、平成24年度3次隊
職種:体育
任地:カンパラ
出身県:宮崎県

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ペットボトル・ハードル

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雨天時は講堂で授業

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スティックリレー

私はシニア海外協力隊としてウガンダの小学校教員養成学校にて合計して3年5ヶ月ほど体育授業に携わりました。ウガンダでは、日本とは全く異なる教育システムと施設等の教育環境、そして先生方の指導意識の違いに只々驚き戸惑うばかりでした。

何よりも驚きそして困ったことは、学校には体育授業に使えそうな用具が全くないことでした。ウガンダの学校では一クラスに生徒が60~100名はいます。体育の授業実施のために使用可能なものは、サッカーができる広さで固定式のゴールポストが設置された天然芝のグランドと空気が抜け皮の破れかけたサッカーボールが1個だけでした。体育館はもちろん体育用具倉庫もありませんでした。1クラスに60~100名の人数に対して使えそうなものは空気の抜けたボール1個だけ…とても現在の日本で行われているような体育授業は実施できるはずがありません。私が指導する学生たちが卒業後に勤めると思われるような近隣の小学校を見て回りましたが、当然ながら同じ状態でした。

しかし、「あきらめれば何もできない、絶対にあきらめることはできない。」と強く思いました。「工夫すれば何かできる!!」ということを何としてでも学生たちに伝えたいといつも自分に言い聞かせながら、あまり道具を必要としない(小学生に適している)体操と陸上競技を中心に授業を実施しました。用具がなければ自分たちで作ればいい、利用できそうな物は何でも使ってみようと、道路に捨ててあったペットボトルでマーカーやコーンを作り、短距離走のスタートやゴールの目印としました。読み終わった新聞紙を丸めてバトンを作りリレーをしました。学校の近くのブッシュから木を切ってきてハードルの代わりに使いました。幸いに学生たちの爆発するようなやる気とエネルギーに助けられて、授業を大変楽しく進めることができたと思っています。

私は授業の最後に学生たちに「今日の授業は楽しかったですか?」「何か気が付いたことはありませんか?」「もっと楽しくするためにはどうしたら良いと思いますか?」…と必ず質問しました。教員養成学校を卒業した学生たちは各地の小学校の教師になっています。彼らは、厳しい状況の中でもきっと楽しい授業をしてくれていると信じています。そして、今日も授業の終わりに考えていると思います…「今日の授業は楽しかっただろうか?」「何か気づいてもらえただろうか?」「もっと良い授業にするためにはどうしたら良いだろうか?」…と。

近い将来にウガンダの学校施設が整い、体育授業が充実して、子供たちが体育授業を心から楽しみ心身共に健やかに育ってくれることを心より祈っています。