ウガンダでの思春期教育-体育隊員、帰国研修員、助産師隊員のコラボ企画-

2020年8月25日

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飛び入りで劇に参加してくれた生徒さん

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手作りエプロンで男女の身体の違いについて説明。

隊員氏名:高見 唯香
隊次:2019年度2次隊
職種:助産師
任地:ムベンデ
出身県:兵庫県

隊員氏名:周東 美奈子
隊次:2019年度短期
職種:看護師
任地:カムウェンゲ
出身県:群馬県

隊員氏名:山口 紗弥
隊次:2019年度2次隊
職種:助産師
任地:リラ
出身県:神奈川県

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生理と妊娠の仕組みについて一緒に考えてみる

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ウガンダではまだ浸透していないグループワークに一生懸命取り組む

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坂口隊員もすぐに実践。さすが先生、教え方がプロ!

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授業の後に相談に来てくれた生徒さん

はじめまして!私たち3人は2019年12月から同時期にウガンダに派遣となった助産師隊員です。今回は、体育隊員である坂口正高さんからの依頼を受け、ジンジャ中高等学校で実施した思春期教育の様子をご紹介します。

ウガンダでは、10代前半での若年妊娠により、妊娠を理由に退学せざるを得ない女生徒が多くいることが問題となっています。そこで、望まない妊娠を少しでも減らすことを目的とし計画しました。しかしながら、アフリカでの思春期教育は私たち3人にとっても初めての経験です。日本と同じでよいの?男女混合のクラスは可能?と全てが手探り状態。現地教員や助産師、NGOの方々に話を聞き、そのアドバイスを元に坂口隊員と一緒に内容を決めていきました。

今回のクラスは、絵本『Tatu na Mbili』を題材とした劇から始まります。思春期の男女が性的な関係を持ち、妊娠したことで女の子だけが退学するというお話です。劇の後、エプロンや絵などの視覚教材を使いながら、男女の身体の違いと生理や妊娠の仕組みについて質問形式で説明し、どうすれば女の子は悲しい思いをしなくてすんだのかをグループディスカッションを取り入れ考えました。最後に、帰国研修員である現地助産師マブルカさんから、実例をふまえた若年妊娠のリスクについてのお話と、出産直後のお母さん達から、妊娠や出産への思いを語った2つのメッセージ動画を流しました。

当日は、1クラス80人近くいる生徒に圧倒され、まとめきれずに脱線したり、英語での説明に苦戦したりとハプニングだらけ。その反面、飛び入りで生徒が劇に参加してくれるといった楽しい一幕や、授業後に生徒が相談に来てくれるなどうれしい出来事もありました。さらに教員とコラボしたことで、相手の意見を尊重する、教える人に感謝するといった姿勢を授業の中で伝える姿に、授業の果たす役割の深さを学び、知見が広がりました。アンケートでは、「避妊しないといけない」、「女の子に優しくする」といった思いと、若年妊娠のリスクや、好きな人との関係についての質問や感想も多く、関心の高さも受け取れました。

これからも、それぞれの性を大切にし、妊娠の時期を選ぶことで安全で幸せな出産が増え、辛い思いをする女の子が少しでも減ることを願っています。残念ながらCOVID-19の影響で3月末に緊急帰国となりましたが、またウガンダに戻れる日が来た時には、今回の活動を深めていけたらと密かに情熱を持ち続けています。

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1クラス40~80人、合計300人の生徒が参加。エネルギーに圧倒される!