精米所運営改革???

2020年9月15日

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職場であるアグリビジネストレーニングセンターの精米所です。シーズン中は多くの農家で賑わいます。

隊員氏名:服部 孝政
隊次:2018年度2次隊
職種:コミュニティ開発
任地:ルウェロ県ズィローブウェ
出身県:愛知県

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精米所の中です。ウガンダ中部地域の中では比較的性能の高い精米機が導入されていましたが、どれだけ長く使い続けられるかが大事なポイントでした。

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ポスターで課金方法の変更を案内しましたが、あまりにも不評で1週間後には一度取り外されてしまいました。そこから説明を続けました。

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不純物を取り除く方法として風せんがあります。軽いものは除けますが、石やガラスは除くことができません。普段から丁寧に収穫後の処理をする必要があります。

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精米所を運営するアグリビジネストレーニングセンターの同僚との清掃活動をしている時の写真です。Peace Corp.のボランティアの女性とも一緒に活動していました。

2018年10月から2020年3月までウガンダ中部地域のルウェロ県ズィローブウェでコミュニティ開発隊員として派遣されていた服部です。私の配属先はササカワグローバル2000という農業NGOでした。当地では、配属先が支援するアグリビジネストレーニングセンター(民間の農業協同組合のような組織)の農業普及員として活動していました。

ルウェロ県では、お米栽培に挑戦したい農家が急速に増えています。活動期間中は、お米栽培を通じた住民の生計向上を目的として、県内の米生産拡大を目指した体制強化に取り組んでいました。本記事では、私が取り組んだ活動の1つである精米所利用における課金方法の変更について紹介したいと思います。

精米所利用における大きな課題は、農家がお米を精米所へ持ってくる時に、石ころや藁、ガラスなどの不純物を取り除かずに持ってくることです。このような状態で精米を続けると、精米機が壊れやすくなったり、精米に時間がかかったりします。

私が赴任した当時は、ズィローブウェにある全ての精米所において、精米された後のお米(白米)の重さを測って課金する方法を採用していました。この課金方法の問題点を指摘すると、最終的に50キロの白米が取れると仮定した場合、精米前にお米に不純物がたくさん混入していたとしても、お米に不純物がしっかり取り除かれていたとしても、利用者の負担額は変わりません。この状況下では、不純物を取り除く作業を頑張ってくれた農家が損をしているように感じます。

そこで新たな課金方法として、精米される前のお米(籾)の重さを図って課金することを提案しました。この課金方法を採用すると、農家は、不純物を取り除くことで得られる※インセンティブを得ることができます。ここで言うインセンティブとは、不純物を取り除く農家は、不純物を取り除かない農家に比べて、精米料金を安く抑えることができる、ということです。結果的に、体積や重さを減らすことに繋がり、精米時間の短縮や精米機の故障防止を期待できます。

はじめは、利用者だけでなく、精米所を運営する同僚からも慣れ親しんだ方法を変えることに対して批判もありましたが、実演を交えて説明を続けていったことで現在では定着してきていると聞いています。既に帰国したため、定着した利用状況には直接立ち会えませんでしたが、近い将来この方法が広くウガンダへ普及してくれるといいなと考えています。