ウガンダの米どころ、ブタレジャ県での活動

2020年9月15日

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田植えの様子

隊員氏名:前川 権也
隊次:2018年度3次隊
職種:コミュニティ開発
任地:ブタレジャ
出身県:兵庫県

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収穫の様子

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活動パートナー 収穫量にご満悦

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みんなで陸稲にも挑戦

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村のデモンストレーション 圃場にて

みなさんこんにちは。ウガンダの東部ブタレジャという地域で約1年間、コミュニティ開発隊員をしておりました、2018年3次隊の前川権也です。ブタレジャは首都カンパラから車で約6時間のところにあり、ウガンダのお米の約25%がブタレジャ県産という、稲作がとても盛んな農村地域です。

現地住民の多くは小規模農業に従事していますが、作物を売って得られる収入は非常に低く、生活も困窮しています。そのため、作物の収穫量を増やし住民の収入を向上させることが、私の配属先である県庁生産局の課題でした。ウガンダの稲作栽培技術はまだ発展途上にあり、農具や栽培知識が不十分であることに加え、稲が病気にかかりやすいなどさまざまな原因により、現地のおコメの収穫量や生産性は低い水準にあります。

私は活動先の村にデモンストレーション用の圃場を設営し、シーズンを通して適切な栽培技術を実演によって紹介してゆくことにしました。しかし、私は村の人たちから見れば外国人の部外者。活動開始当初は協力してくれる人も少なく、約束をすっぽかされたり、圃場で開いたワークショップにもあまり参加してくれなかったり、思い通りにいかないことがたくさんありました。

ウガンダの農村の人々は、近しい人との人間関係をとても大切にします。日本とは違い、仕事の能力で人の価値を判断することはありません。私は決まった曜日、決まった時間に村々を訪れるようにし、“いつものおコメの日本人”として少しずつ認知してもらい、またイースター等のイベントを現地の人たちと過ごすことで、村のコミュニティの一員として認めてもらうことができました。そして私のワークショップに参加してくれる人たちが少しずつ増え、私の指導する栽培方法にも理解を示してくれるようになりました。そしてデモンストレーション圃場での収穫。従来の栽培方法の約2.5倍もの収穫量を得ることができ、住民たちにも「自分たちにもできる。」と実感してもらうことができました。

2020年シーズンは活動範囲をさらに拡大し、大きな成果を期待していた矢先、新型コロナウイルスの発生により残念ながら計画半ばで日本に帰国となってしまいました。住民一人ひとりの生活改善の様子を見られなかったことは心残りですが、配属先の同僚や村の人たちの手で、ブタレジャの稲作が今後さらに発展し、地域が豊かになっていくことを信じています。