農業器械でお米栽培にスモールイノベーションを!!

2020年10月1日

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これまでウガンダ隊員によって開発されてきた様々な農業器械

隊員氏名:服部 孝政
隊次:2018年度2次隊
職種:コミュニティ開発
任地:ルウェロ県ズィローブウェ
出身県:愛知県

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最終的に出来上がった除草機

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最終的に出来上がった播種機

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製作中の現場へ立ち会うこともありました。

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展示会(国際ボランティアデイ)で訪問者に向けて播種機を紹介

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隊員が開催した技術研修で播種機を実演

本記事では、私が取り組んだ(注)農業器械の開発と普及について紹介します。(活動の目標や目的は前回の記事からご確認下さい。)ここで説明する農業器械とは、トラクターや耕運機などの大型/中型の機械ではなく、鍬やスコップのような小型の器械/器具を指します。私は、米栽培時に重宝する除草機と播種機の開発及び普及活動に関わりました。私が本活動に取り組みたいと考えた理由は、生活水準の高くない農家も効率的に収穫高を伸ばせるように支援したいと考えたからです。そのために、大型機械より金銭的に導入を検討しやすい小型器械/器具を普及したいと考えました。

新しい農業器械を地域で普及させるには、近場で生産/販売できる環境を整える必要があると私は考えていました。近場で体制を整えることで、近隣住民に対して、器械/器具に触れる機会を提供することができ、中長期的に自然と普及する可能性が高いからです。そのため、調達先の選定作業では、任地からアクセスしやすい製作所を列挙するところから始めました。それから、製作所の担当者と直接会って相談しつつ、注文した農業器械を複製できる能力があるかを確かめていました。残念ながら、設計図や実物を持ち込んでも、こちらの期待通りに製作できる人は中々いません。実物を持ち込んで、時々立ち合いもしながら、1つ1つのパーツの大きさや接合具合を確かめながら進めていきました。それらの出来上がった器械を自分が管理するデモ圃場で、「テスト→修正」を繰り返す日々が続きました。

これらの試行錯誤は1年以上かかりましたが、最終的に任地から車で1時間程の製作所で生産が可能になり、アグリビジネストレーニングセンターで注文と手配管理を一任され、注文が入れば1週間以内に調達できる体制を整えることができました。こちらの活動も「これから普及させるぞ」という段階で帰国することになってしまい、複雑な気持ちではありますが、この活動を機に、同僚や指導した農家には、自分自身で新たに創意工夫をする大切さを学んでくれていたら嬉しいです。

(注)本活動は、これまでの先輩隊員の開発実績を任地向けに展開したものです。先輩隊員が開発(0を1にする過程)に取り組んだとすると、私は主に普及(1から10へ拡大する過程)に取り組みました。他隊員との連携活動がしやすく、大変恵まれた環境でした。協力してくださった先輩隊員の皆様、本当に有難うございました。