念願叶った企業訪問

2022年10月17日

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授業は「きをつけ」「れい」の挨拶から始めます。

隊員氏名:内山弘幸
隊次:2021年度1次隊
職種:自動車整備
任地:ブイクェ県ブカヤ
出身県:富山県

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屋外でも授業は一緒です。まずは挨拶。

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初めて見る電気自動車!生徒の目が輝きます!

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女性メカニックの活躍を憧れの眼差しで見る女生徒。

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念願かなったトップ企業訪問

ウガンダ第二の都市ジンジャ郊外ブカヤ村にありますナイル職業訓練学校で自動車整備の実習指導をしております。ここブカヤ村はビクトリア湖の水が溢れてナイル河へと注がれる源流の村、対岸のジンジャ側は観光地化されていますが、こちら側は訪れる人も殆どおらず、活動に悩んだり、疲れたりした時、優しく迎えてくれる私の癒しの場所です。ここから溢れ出た水が広大なアフリカ大陸を通り、人々の生活を支えながら地中海へと注がれます。村人の生活は決して裕福とは言えませんが、陽気で明るく音楽が大好き、スピーカーの爆音だけは何とかしてほしいのですが。

さて話を戻しますが、ここナイル職業訓練学校は、電気工事や溶接、土木、配管、ヘアードレッサーなど多種に渡り生徒数約700名のマンモス校です。ウガンダは特に若者の人口が多いので、就職は狭き門です。そのためこの学校の門を叩く若者も多いです。特に日本では少ない土木や溶接、私の所属している自動車整備科にも多くの、少年少女たちが学んでいます。皆、将来の自立をしっかり考えています。

つまり、私の責任は重大であるということ。しかしどこの学科も実習環境に恵まれているとは言い難く、自動車学科も実習車両ははっきり言ってスクラップ、かろうじて動く車は以前JICAより寄贈された車が一台。生徒はと言うと勝手な時間に来て勝手に帰る、マンゴーの木の下で寝ている、椅子に座っていられない生徒も。

それもそのはず、担当しているクラスの生徒の多くが家庭環境に恵まれず、中にはストリートチルドレンをしていた生徒まで。そんな生徒たちをボランティア団体が支援することで入学が実現しました。そんな生徒たちと格闘することから私の活動が始まりました。

ポランポラ(ゆっくりゆっくり)
相棒(カウンターパート)と共に。

生徒たちには時間を守ることを常に伝えています。また、授業の始めや終わりには、日本語で「きをつけ」「れい」の挨拶を実施。これには、「ありがとう」、「感謝」、「尊敬」の意味があるのだ、と教えています。

これまで、生徒たちを二度社会に送り出しましたが、皆成長しライセンスを取得し整備士となりました。今では自ら時間を守り、私が見てなくても「きをつけ」「れい」が受け継がれ、赴任した頃とは比べ物にならないくらい落ち着いてきました。

赴任から間もなく一年、JICAより使用期限の終了した車両と昔隊員が使用していたバイクが教材として譲渡され生徒たちは俄然やる気が出てきました。そして先日、首都にある日本の自動車会社への訪問、研修会を多くの方々の協力を得て実施することができました。11月には還暦のタァータ(お父さん)、ここで立ち止まってはいられない。タァータの奮闘はまだまだ続きます。

(注)内山隊員は、現在、開発途上国で活動する隊員の日常を日記としてお伝えするブログサイト「JICA世界日記」にて、タアータ(お父さんの)ウガンダ奮闘記を連載中です。内山隊員の奮闘の日々もぜひご覧ください。