ウガンダの子どもたちと共に考えるHIV/AIDS

2022年12月8日

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P7向けのHIV授業の様子

氏名:星野 香子
隊次:2021年7次隊
職種:感染症・エイズ対策
任地:ムピジ県
出身県:新潟県

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HIVの感染リスク行動について話し合う子どもたち

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P6向けのHIV授業の様子

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子どもたちの健康状態を調査するための家庭訪問

皆さんこんにちは、ウガンダのNGOで感染症・エイズ対策隊員として活動している星野香子です。ウガンダでの生活もあっという間に1年が過ぎました。12月1日の世界エイズデーに向けて、任地の小学校を訪問してHIV/AIDSについて正しい理解を深める活動をしているので、紹介させて頂きます。

私の配属先はHIV孤児や脆弱な家庭の子どもたちの教育・健康等をサポートしており、私は特に保健・栄養関連のプログラムに従事しています。ウガンダでは新型コロナウイルスのパンデミックの影響により、HIV検査や治療へのアクセス数が例年より減っている一方で、若年女性のHIV陽性者が増えています。実際に支援先の子どもたちの中にも、コロナの影響で学校が休校し、子どもたちが家庭やコミュニティにいる時間が増えたためか、知識がないまま性交渉におよび妊娠するケースや、家庭内における性暴力被害が確認されました。これらの問題が現在のコロナ禍で非常に顕著に見られたため、子どもたちへの性教育(HIV/AIDSや妊娠、性交渉に関する正しい知識)は、早急に取り組まなければいけない課題であると感じました。

ソーシャルワーカーであるカウンターパート(同僚)は、学校に保護者を集めて“Child Protection”(青少年保護)についてのミーティングを行い、家庭・学校・コミュニティで、子どもたちをどのように守るかを伝える活動をしています。私は子どもたち自身もHIVエイズを含む性感染症やその他の日常的に見られるマラリア(蚊が媒介する感染症)や水系感染症(汚染された水により感染する感染症)からどのように身を守るかの知識を身に着けることが重要だと感じ、学校での保健授業に取り組んでいます。HIV/AIDSについて、子どもたちに話す際は、各学校の性教育に対するポリシーが異なるため先生と綿密なすり合わせが必要ですが、なるべく子どもたちに伝わりやすい内容で話すように心がけています。また、クラスの中では自身がHIV陽性だったり陽性の家族がいたりする子もおりHIVに対する意識は様々です。そのため、授業にはグループワークを取り入れ、全員が議論に参加しHIVを自分事として捉えられるように工夫しています。授業後はたくさんの子どもたちが感想や疑問をシェアしてくれ、私自身にとっても毎回新しい発見、学びがあります。例えば、P7(小学校7年生、日本の中学一年生相当)の女子生徒は、HIV陽性の友達が将来赤ちゃんを産めないから、と悩んでいると教えてくれました。現在では適切な治療と予防を行えば母子感染のリスクを低く抑えることができますが、そのような議題はまだまだ家庭や学校で話されることは少ないのだと改めて感じました。
これからも子どもたちが健康に関心を持ち、自分の身体を自分で守り楽しい学校生活を送れるようサポートしていきたいと思います。