ウガンダ協力隊調整員事務所開設に係わって

2021年6月25日

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カンパラ オールド タクシーパーク

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ウガンダ・ソフトボールチームと隊員との試合開始前です

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帰国前に隊員から頂いた感謝状

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帰国時 空港へ見送りに来てくれた隊員たちと

2000年9月~2003年9月
ボランティア調整員
津川 智明

ウガンダ青年海外協力隊の最初の隊員を2001年7月に迎えるまでに約1年かかりました。事務所の開設は、東京のJICA本部(青年海外協力隊事務局)と常に連絡を取りながら進めましたが、当時親事務所であったJICAケニア事務所と在ウガンダ日本大使館からも支援をしてもらいました。ウガンダに赴任してすぐ、アパートに住居を構え、隣を仮事務所にしました。事務的な準備として、銀行開設、スタッフの採用(事務担当と運転手)、公用車の購入、調整員事務所の選定・開設、事務所に必要な備品の購入などがありました。隊員受け入れ準備として、隊員の要請開拓、医療機関の調査や顧問医の依頼、ウガンダ政府のJOCV受け入れ窓口との調整、隊員配属先訪問、隊員住居の確保などです。要請開拓と医療機関の調査では、ケニア事務所の協力隊調整員と医療調整員に協力してもらいました。

初代隊員は一人でしたが、少しずつ隊員数は増えていきました。隊員受け入れに際し、隊員に伝えていたことは、「協力隊事業は種を蒔く仕事」ということです。

種を蒔いたあと、芽が出て花が咲き、大きくなるまで育てるのはカウンターパートであり、いつか実を付け、その果実の恩恵にあずかるのはウガンダの人たちです。隊員は縁の下から支える立場であり、黒子であると伝えていました。

私が重点を置いたことは、1)隊員報告書はしっかり書くこと、2)隊員の活動経費は配属先に依頼すること、3)隊員住居は要請先に準備してもらうこと、4)当面の間、隊員連絡所は設けないこと、などでした。隊員の住居について、要請先からの手配や準備が遅れることが多々あり、多くの隊員に苦労をかけました。

3年間のウガンダでの滞在中はいろいろなことがありましたが、事務所開設や初期の隊員受け入れという貴重な体験をすることができました。隊員は何人かマラリアにかかりましたが、彼らが大きな事故もなく無事に活動できたことが何よりでした。大使館のみなさま、JICAケニア事務所、そしてJICA専門家の方々に公私にわたり助けていただきました。

JOCV調整員事務所開設から20年、いろんな種類の種がウガンダ中に蒔かれ、多くは立派に育ってきていることでしょう。それらが立派な果実をつけるころ、係わったウガンダの人々が、種を蒔いた隊員のことを思い出してくれるのではないでしょうか。