人と人との繋がりを大切に。今度はウガンダへ恩返し(後編)

2021年10月1日

第7回:須藤 佳奈さん(小学校教育、2017年度1次隊、任地:ムピジ県)

20周年企画 隊員OVインタビュー

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【須藤 佳奈さん プロフィール】
大学卒業後、ワーキングホリデービザでオーストラリアに1年間滞在。その後、福祉サービスを提供する企業に就職。その後、青年海外協力隊の「青少年活動」に応募するも不合格。諦めきれず、再度、「小学校教育」に再応募し、合格。2017年6月よりウガンダ ムピジ県にて2年間活動。現在は、長野県立科町で地域おこし協力隊として活動中。

ウガンダでの協力隊員としての2年間、色々な活動をされた須藤さん。活動する中でいろいろなことで気づきがあり、色々な思いを抱き、その思いが現在に至っているようです。後編では、帰国後の思い、現在のキャリアについてお伺いしました。

(JICA)限られた任期の協力隊経験の中で、心残りはありますか?また協力隊に参加したら、やってみたいことはありますか?

(須藤さん)ウガンダの人と、もっと同じ時間を共有すれば良かったと思いました。協力隊活動で大切なことは、相手と信頼関係を築くことだと思います。一緒に教会に行ってお祈りをしたり、一緒にご飯を食べたり…。そんな時間を通して相手と相手の文化を知る、何よりも大切な時間だったんだと、帰国間際に気づきました。

(JICA)協力隊に参加する前と後とでは、ご自身の心境に変化はありましたか?

(須藤さん)帰国する時に一番思ったことは、「私はウガンダの人からたくさんのことをもらったけど、私は、ウガンダの人に何かできたのだろうか?」ということ。
協力隊に参加する前は、どこか上から目線で物事を考えていて、私がウガンダの人を助けてあげたい!変えたい!と思っていました。でも実際に活動を終えてみて、その考え方自体が、間違っていることに気付きました。ウガンダの人は、ウガンダの価値観と文化の中で暮らしていて、どの国が劣っているとか、優れているということは、ないんだということに気づきました。活動を終えてみると、自分が与えたものよりも、得たものの方が多かったです。ウガンダの人は、食べ物に感謝をする、自分が充分になくても相手に分け与える、幸せをいつも表現する、年上の人を尊敬する、人として生きる上で大切なことを、ウガンダの人から教わりました。

(JICA)協力隊の経験はその後のキャリア形成に影響を与えましたか?

(須藤さん)現在は、長野県立科町で地域おこし協力隊として活動しています。当町は、東京オリンピックで、ウガンダのホストタウンに登録されていて、それに伴う国際交流事業を担当しています。
JICA海外協力隊での活動を経て、自分の中でキーポイントになった「地域」を意識しながら、ウガンダへの恩返しをしたいと思い志望しました。遠い国であるウガンダを身近に感じてもらうべく、写真展、料理イベント、国際理解講座、Skype交流、ローカルテレビでの情報発信などなど、企画し実施しました。
また、東京オリンピックでは、ウガンダ選手団(中長距離選手)の事前合宿の受け入れのサポートをしました。コロナ渦で、直接の交流が難しかったため、応援旗や応援動画を作成し、選手団に届け応援しました。また、その様子を随時SNSにアップしたり、ローカルテレビに情報提供をし、発信してもらうなど、町民が選手に直接触れ合えない中で身近に感じてもらえるような工夫をしました。
JICA海外協力隊の経験は、自分の中のキャリアアンカー(「はたらく」上での価値観)を明確にしてくれたような気がします。この先どんなキャリアを歩もうと、自分にとって大切にしたい価値観に耳を傾けながら、社会の中で活動していきたいです。

(JICA)現隊員やこれから海外協力隊を目指す人に向けたメッセージをお願いします。

(須藤さん)ただただ、羨ましいです!応募前、活動中、不安なこと、嫌な思いはたくさんあるかもしれません。でも、実際に活動を終えてみて、振り返ってみるとそのこと以上に、自分へのプレゼントをたくさんもらいます。人生の中で、出会えて良かった、尊敬するような人にもたくさん出会えました。みなさんのチャレンジを応援しています!

(JICA)東京オリンピックのウガンダ選手団ホストタウンである長野県立科町で地域おこし協力隊として、今度は立科町の方にウガンダのことやアフリカのことを知っていただく業務に従事されている須藤さん。オリンピックのメダリストも出演したウガンダオリンピック選手団応援ミュージックビデオの製作にもご協力いただきました。

また、立科町の子供たちと、ウガンダをオンラインでつなぎ、国際理解協力の授業も実践するなど、帰国後もウガンダと深く繋がっていらっしゃる様子、ウガンダ愛の深さを感じました。須藤さん、インタビューへのご協力ありがとうございました。東京オリンピックは終わりましたが、今後も立科町とウガンダとの交流が継続されることを願っています!

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練習場でウガンダ選手団と記念撮影

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女神湖の上で、練習終わりに記念撮影