協力隊は一度きり。やり切って、キャリアに活かす(後編)

2022年1月17日

第17回:二村 元基さん
(村落開発普及員、2012年度3次隊、任地:ミティアナ県)

20周年企画 隊員OVインタビュー

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【二村 元基さん プロフィール】
大学卒業後、スポーツメーカーで勤務。3年半の勤務後、退職し青年海外協力隊に参加。現地ではシングルマザーを雇用し、収入向上活動に従事。帰国後はSOLTILO株式会社に勤務し、「スポーツを通して子どもたちに夢を提供する」という企業理念の実現を目指し活動中。

(JICA)前半では隊員活動についてお話をお聞きしましたが、後半では、今のお仕事などその後のキャリアについてお聞かせください。現在もアフリカと関わるお仕事をされているとのことですが、協力隊員としての活動に心残り、アフリカに心残りがあったんでしょうか?帰国された時はどのような思いがありましたか?

(二村さん)心残りは特にありませんでした。帰国日まで活動をしていたほどだったので、やり切ったという思いでした。正直、疲れていました。その時はもう、当分アフリカはいいやと思っていました。常に周囲を気にし、神経を使ってた日常でしたので、もう後ろや回りを気にして歩く生活をしなくていいんだな、とも思いました。もし、もう1度協力隊に参加できるなら、今度は現地で起業してみたいと思います。

(JICA)協力隊に参加する前と後とでは、何か心境の変化などありましたか?協力隊の経験は、その後の人生にどのような影響を与えましたか?

(二村さん)協力隊に参加して、多様性を受け入れることが出来るようになったと思います。人を救うのも人だし、人を傷つけるのも人、人間として受け入れることのできる幅が広がったというか、閾値が上がったという感覚はあります。それと、ゼロからイチを創る成功体験ができたと思っています。情熱と行動さえ伴えば、世の中に新しい価値を提供できることを知り、それが更なる自信に繋がりました。

現在勤務している企業に就職できたのもアフリカでの経験を評価されたからだと思います。ケニアに法人を立ち上げて会社のプロジェクトを推進できたことも、その一環だと感じています。その際の働きが評価され、現所属先でのポジションも上がってきており、ウガンダでの経験が今にも繋がっているとも言えます。

(JICA)現在のお仕事にもウガンダでの経験が生きているということですね。ちなみに、現在はどのようなお仕事をされているんでしょうか?

(二村さん)現在は、SOLTILO株式会社にて、営業部 部長/施設管理部 部長/SOLTILOケニア代表を務めています。本田圭佑が立ち上げたサッカースクールを祖業とする企業に2017年2月より所属しています。スポンサーセールスなどを行う営業部と、国内3か所のスポーツ施設の管理を行う施設管理部の責任者を務めています。また、2017年12月より、ケニア・ウガンダ・ルワンダの機会の不平等に直面する子どもたちに、「サッカーを通して人生の選択肢を提供する」というコンセプトで、AFRICA DREAM SOCCER TOURというプロジェクトの立ち上げをしました。このプロジェクトの管理をしているケニア法人(SOLTILOケニア)の代表も兼務しています。

(JICA)もともと協力隊を志望される前に「スポーツ関連の仕事」をされる予定だったのが頓挫して協力隊に参加され、そして協力隊参加後に、スポーツ関連の仕事に就かれたということなんですね。二村さんのキャリアパスとして、協力隊を経て「スポーツ」で繋がっているんですね。協力隊への参加を踏み出せない、迷っている方も多くいらっしゃいますが、協力隊に関心のある方にぜひメッセージをお願いします。

(二村さん)協力隊の2年間は、参加する方にとっても、また現地の方にとっても長い人生の一部の時間にすぎません。ご自身にとっても、現地で生活する方にとっても、長い目で見て意味のある活動をしてほしいなと思います。

(JICA)二村さんインタビューへのご協力ありがとうございました。二村さんが所属しているSOLTILO株式会社が支援しているサッカーチーム(SOLTILO Bright Stars FC)がウガンダにあり、JICAとパートナーシップ協定を締結し、サッカーを通したウガンダの社会課題解決およびSDGsの達成を目指して協働しています!

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たくさんの商品を作れるようになりました

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当時販売していた商品例

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【Bright Stars FC】SOLTILOが支援しているウガンダのプロサッカーチーム