アジュマニ県パギリニヤ難民居住区でのサッカー教室

2022年9月28日

サッカーで難民、ホストコミュニティの相互理解を促進

難民居住区でのサッカーイベント開催

2022年5月28日、JICAウガンダ事務所は元サッカー日本代表の本田圭佑選手がオーナーでありウガンダのプレミアリーグのクラブであるソルティーロブライトスターズ(SBS)と、認定NPOテラ・ルネッサンスの協力の下、北部アジュマニ県にあるパギリニヤ難民居住区にて難民と難民を受け入れるホストコミュニティの19歳以下の青少年100名を対象としたサッカーイベントを開催しました。ウガンダにはアフリカで最多、世界でも3番目に多い150万人を超える難民が滞在しており、本イベントは難民とホストコミュニティの相互理解の促進を目的に企画され、SBSのプロサッカー選手によるサッカー教室に加えて参加者間による試合も行われ、大勢の観客が見守る中、大盛況に終わりました。本イベントにあたっては早い段階から首相府難民局(OPM)、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)に協力を仰ぎ、実際の参加者募集には、男女合わせて20チームをまとめるパギリニヤ難民サッカー協会、ホストコミュニティサッカー協会に協力いただきました。このように多くの方々に準備段階から支援をいただき、大会実施に向けご協力が得られたことで成功裏に終わることができました。

スポーツの可能性

持続可能な開発を目指す上でスポーツが果たす役割への期待が高まっています。難民居住区でのイベントの開会式では「アジュマニの難民の父」とも呼ばれるOPMのタイタス・ジョゴ氏が「若者、特に難民居住地のサッカークラブの女の子たちが将来を夢見ながら技術を披露する様子を見るのは非常に喜ばしい。」とコメントし、JICAウガンダの内山貴之事務所長は「スポーツを通して、根気よく頑張ることの大切さを学び、自分の心と体の成長を大切にし、大きな可能性を周りに示すことができる。」と参加者に伝え、スポーツが秘める可能性について言及しました。参加者からも「サッカーはこれから作る新しい家族を守るための強さをくれる」「サッカーは自分を暴力から遠ざけてくれる」といった言葉が出ていました。このように、今イベントでは、子供ながらにウガンダに難民として来なければいけなかった事情を自分なりに消化し、将来を考えて強くなろうとする難民に対して、他の機関と協力し、スポーツを通じた支援ができました。難民か、ホストコミュニティかといったことに関わらずパスをまわしコミュニケーションをとる子供たちは、平和構築への一つの働きとしてのスポーツの有効性を証明しています。2022年8月19日から3日間にわたって開催されたウガンダ女子サッカートーナメント、TICAD CUP 2022では彼女たちがそれぞれの立場や文化を理解することで交流の輪を広められるようにサッカー以外の交流イベントも行いました。

繋ぐ

スポーツには難民、ホストコミュニティ双方の相互理解を深め、互いを刺激し合い、国境や言語、経済格差という境界線を越えることができる力があると信じています。JICAウガンダが支援するスポーツイベントをきっかけとし、難民とホストコミュニティが平和的に共存できる未来に向けて「相互理解」というボールを参加者一人一人に繋いでいってほしいと願っています。

【画像】

参加者に演説する難民サッカー協会の会長リチャード氏

【画像】

サッカー教室中の参加者の様子

【画像】

サッカー教室の参加者、南スーダンからの難民のガッドウィル(左)とグロリア(右)

【画像】

1対1でウォームアップを行う参加者

【画像】

指導にあたったSBSの選手、メソディウス・ジュング(左)、アルフレッド・オネック(中央)エマニュエル・ウェレ(右)

【画像】

チーム対抗戦を行う参加者たち

関連リンク