高等教育支援事業(ITセクター)

  • 借款契約日:2006年3月31日
  • 承諾金額(金利%):5,422百万円(1.3 | 0.75)
  • 償還/据置(年):30/10
  • 実施機関:教育訓練省・ハノイ工科大学
  • 事業対象地:ハノイ市

概要

ベトナムにおいては、ドイモイ政策の導入以降、就学前教育から大学院教育の全レベルにわたり統一的かつ多角的な教育制度が確立されています。しかし、高等教育の就学率は15%と周辺諸国に比べても低い水準に留まっているのが現状です。

同国の2001〜2010年教育開発戦略計画(EDSP)においては、教育開発を「主要国家政策」と位置づけ、高等教育セクターにおいては、科学技術の進歩に対応し、実社会の要請に応える研究開発の実施と質の高い人材育成を目標としています。この背景には、高等教育セクターの問題点として、カリキュラムが理論、知識の習得の偏重を進める結果、卒業生の多くが実社会の要請に的確に応える技能・問題解決能力を習得していない現状があります。また、資機材や資金の不足を抱える大学・研究機関は、産業界で使用されているものに比して旧式の機器やシステムを利用して演習や実験を実施しており、産業界の要求に応えた教育・研究活動の実施が困難な状況にあります。

この状況の改善に向けて、JICAは、ベトナムにおいて最高峰の理系大学であり、IT分野の教育・研究活動に先導的役割を果たすハノイ工科大学において、モデルIT教育プログラムを実施するために、同カリキュラム実施に必要な教員の雇用や留学生派遣、教育用資機材の調達およびコンサルティング・サービス等を行う事業に対し、借款資金を供与しています。これにより、ベトナムのIT分野での教育水準を向上させ、IT分野の教育機関およびIT産業における優秀な人材の育成を図るという同事業の目的達成を支援し、IT技術の進展を通じた同国の産業競争力の強化に寄与することが期待されています。

なお、並行して、JICAの技術協力が実施されており、カリキュラム策定や教育スキルの向上に関して、日本の高等教育機関の知見や経験が活用されています。

リンク/参考資料