コミュニティ・ベースド・ツーリズム開発にかかる促進支援及びマーケティング支援

プロジェクト名

(和)コミュニティ・ベースド・ツーリズム開発にかかる促進支援及びマーケティング支援(個別案件・専門家)
(英)Promotion and Marketing, Community Based Tourism Development

対象国名

ジンバブエ共和国

プロジェクトサイト

首都ハラレおよびチェシンゴ(文化)、ブラワヨ(タウンシップ)、ガイレジ(自然)、テンゲネンゲ(芸術・工芸)の4パイロットサイト

協力期間

2020年1月~2022年2月(予定)

相手国実施機関

(和)環境気候変動観光ホスピタリティ省、ジンバブエ観光局
(英)Ministry of Environment, Climate change, Tourism and Hospitality Industry、Zimbabwe Tourism Authority

背景

ジンバブエでは1980年の独立以降、観光産業が最も成長率が高い産業の一つであり、国の経済発展を担う重要産業とみなされている。1998 年には年間観光客数180 万人に達した。しかし、2000年以降の土地改革に伴う混乱及びガバナンスの問題等から、従来の欧米諸国からの観光客が減少し、観光業の発展は伸び悩んできた。ジンバブエ政府は2011年に作成された経済の中期計画報告書(Medium Term Plan)の中で観光業に言及し、「観光商品の多様化」「観光市場調査への注力」「国内観光客の増加」を方針として掲げる等、観光振興に力をいれてきた。特に、コミュニティを構成する住民の手によって実践される観光活動であるコミュニティ・ベースド・ツーリズム運営組織(CBT Enterprise、以下CBTE)の振興を継続的に謳ってきた。ジンバブエでは1990年以降、様々な形でCBT(Community Based Tourism、以下CBT)が運営されてきており、観光業に対する一定の方向性は存在するものの、CBTを振興する具体的な戦略・事業は乏しかった。

JICAはこれまで、2016年4月から2017年7月まで開発調査型技術協力として「貧困削減に資するコミュニティ・ベースド・ツーリズム計画プロジェクト」の技術的支援を実施しており、CBTのマニュアルとなるCBTマスタープランの作成と、潜在性のある観光資源を有している4つのパイロットサイトにおけるCBTの開発支援を行った。しかし、CBT実施主体にマーケティング・プロモーションの視点が不足しているとともに、実施主体を支援する環境気候変動観光ホスピタリティ省のCBT振興に関する能力も未だ十分ではないことから、ジンバブエ政府は、各パイロットサイトを自立的・持続的なCBTサイトとして成り立たせるために、CBT実施主体の観光客を集客するためのマーケティング・プロモーションの実施能力の向上支援を我が国に要請した。本案件を通じて、観光商品改良支援および主要なステークホルダーが協議する場の形成を行うことが期待される。

プロジェクト目標

上位目標

各CBTパイロットサイトが自立的、持続的に運営される。

プロジェクト目標

パイロットサイトにおいて、CBTを持続的に実施できる体制が確立される。

成果

成果1:各CBTパイロットサイトに関わるカウンターパート、CBTE職員のマーケティング・プロモーション能力が向上する。
成果2:カウンターパート、CBTE職員によって観光客を誘客するための観光商品・サービスが開発・改善される。
成果3:CBTEの経営管理能力を改善するためのステークホルダーの連携が強化される。

活動

成果1:

1-1:マーケティングおよびプロモーションに係る現状把握のためのベースライン調査に活用するため、既存のCBTマニュアルをレビューする。
1-1a:世界観光機関(UNWTO)の提言及び日本国内の事例を参考にCOVID-19対応アクションを検討し、遠隔手段より、ジンバブエ川カウンターパート機関と協議を行う。
1-1b:海外及び日本国内の観光地におけるCOVID-19感染予防の優良事例を収集した上で、ジンバブエ側カウンターパート機関及び保健衛生等の関係機関と協議し、COVID-19感染予防マニュアルを作成する。
1-2:各CBTパイロットサイトにおいて、マーケティングおよびプロモーションに係る現状把握のためのベースライン調査を行う。
1-3:各CBTパイロットサイトにおいて、マーケティングおよびプロモーションの課題を克服するアクションプランのカウンターパートによる立案を支援する。
1-4:アクションプランに沿ってカウンターパート、CBTE職員によるマーケティングおよびプロモーション活動を支援する。
1-5:CBT開発の好事例を学ぶ視察研修の実施支援を行う。

成果2:

2-1:各CBTパイロットサイトにおいてカウンターパート、CBTE職員が市場のニーズに沿う観光商品・サービスを特定するための調査、記録、分析方法などを助言する。
2-2:市場のニーズに沿う観光商品・サービスの特定の過程をモニタリングし、アドバイスを行う。
2-3:持続性・妥当性を考慮して、カウンターパート、CBTE職員による観光商品・サービスの開発・付加価値向上を支援する。
2-4:カウンターパート、CBTE職員による観光商品・サービスの開発・付加価値向上の経過をモニタリングし、商品・サービスの改善や発展拡大のためのアドバイスを行う。
2-5:観光商品開発に係る一連の活動の結果を踏まえて、CBTマニュアルをマーケティング・プロモーションの視点から修正・改訂する。

成果3:

3-1:ジンバブエの主要なステークホルダーがCBTEの効果的な管理・運営を協議する「CBTE経営委員会」の職務記述書(Terms of Reference)を作成する。
3-2:関係機関と調整してCBTE経営委員会の立ち上げを支援する。
3-3:CBTE経営委員会の活動方針作成や運営戦略作成についてアドバイス・監督を行う。
3-4:CBTE経営委員会の定期的な会合、セミナー実施を支援する。

投入

日本側投入

  • 専門家派遣等

相手国側投入

  • カウンターパート人員の配置(環境気候変動観光ホスピタリティ省)
  • 案件実施のためのサービスや施設、現地経費の提供:専門家の執務スペース等

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