「人間の安全保障委員会」最終報告書 詳細

「人間の安全保障委員会」最終報告書は、人間の安全保障を以下の四つの観点から、国家の安全保障の概念を補完し、人権の幅を広げるとともに人間開発を促進するものと説明しています。

人々は、紛争・テロ、災害・環境破壊、感染症の蔓延、経済危機などの「恐怖」や、貧困、栄養失調、教育・保健医療などの社会サービスの欠如、基礎インフラの未整備などの「欠乏」という多様な脅威に脅かされています。また、それらは相互に関連し合っており、人々はこのような脅威によりさらに状況が悪化する危険性(ダウンサイド・リスク)を抱えています。「人間の安全保障」とは、人々が「恐怖」や「欠乏」から解き放たれ、安心して生存でき、人間らしい生活ができる状態をつくることを指しています。

これらをふまえ端的にいえば、「人間の安全保障」の考えとは、人々が安心して生活できるような社会づくりを行うための枠組み、といえるのではないでしょうか。

開発分野における「人間の安全保障」 人々を取り巻く脅威とその相関関係

【図表】開発分野における「人間の安全保障」人々を取り巻く脅威とその相関関係01

【図表】開発分野における「人間の安全保障」人々を取り巻く脅威とその相関関係02