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保健医療分野における民間連携について

提案型事業(注1)及びこれ以外の技術協力・有償資金協力・無償資金協力事業のうち日本の民間企業の優れた医療技術・サービスの海外展開の側面を重視した事業の形成等において、対象国の保健医療の状況に整合し、その住民の健康改善につながるものであることを前提とした上で、特に積極的に評価する項目は以下のとおり。

(注1)海外投融資含む。以下同じ。

1.日本の重点政策との整合性

日本再興戦略、インフラシステム輸出戦略、健康・医療戦略、国際保健外交戦略等との整合性

※特に日本再興戦略との関係では、医療機関と医療機器メーカー等がMedical Excellence Japan(MEJ)を通じて行う日本式医療の海外展開の動きに沿った事業化調査や海外投融資等の提案、国際保健外交戦略との関係ではユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の推進に資する案件を特に重視。

2.国別援助方針・保健医療分野ポジション・ペーパー等との整合性

対象国に対する国別援助方針等、並びに、保健医療分野にかかるポジション・ペーパー及び課題別指針等との整合性

3.事業の持続性を担保するための対象国の保健財政状況・人材の技術レベル等との整合性等

  • 特に対象国の保健財政状況、経済・社会インフラ、医療従事者等の保健人材の技術レベル・賦存状況、国内規制等との整合性(当該事業を持続的に運営させるため。)
  • 安全性・操作性の高さ(高度医療に関する事業を含む。以下同じ。)
  • 維持管理の簡便性(特に事業のパッケージに維持管理を含む自己完結型の事業を重視。)
  • ライフサイクルコストの節減効果など対象国の保健財政負担の軽減への寄与
  • 情報通信技術(ICT)などセクター横断的な最新技術の応用

4.他のJICA事業との連携によるインパクト

JICAの過去・現在・将来の保健医療分野の協力の拠点や人的ネットワーク等の活用

【例】

  • JICAが有償/無償資金協力にて整備した医療拠点への民間資金による日本の医療機器や医療システムの導入を支援。
  • JICAが技術協力にて培った医療関係者ネットワークを日本の医療機関と橋渡しし、日本と途上国の医療関係者の相互関係の構築を支援。

JICAの途上国の政策・制度の改善にかかる取組との連携による、(1)途上国の医療サービスの向上と(2)日本の医療機関や民間企業による市場開拓(特に日本企業に比較優位のある技術・製品)の両立

【例】

  • 技術協力を活用し日本の基準を取り入れた医療技術基準作りを行い、医療サービスの向上と日本の民間企業の市場参入障壁の克服に貢献。
  • 研修事業を活用し途上国医療関係者の日本の医療技術の理解度・信頼度を高め、現地での日本製品の導入・普及に貢献。

5.(提案型事業の場合)提案型事業の特性の活用

民間セクターを直接の対象として幅広い保健医療課題の解決を支援できるという提案型事業の特性の活用、及び、これによる相手国政府による公的事業(ODA事業を含む)との補完性・相乗効果。(途上国の希少な資金・人材の最適な配分を歪めるリスクが小さいことが前提。)

【例】

  • 海外投融資を通じた民間医療機関の機能強化(高度医療機能を含む)により、従来公的医療機関でカバーされていなかった良質な医療サービスが提供されるとともに、公的リソースが全国民的により必須な保健医療サービスへと配分される。(もって対象国・地域全体の保健システム強化に貢献)
  • 住民のニーズはあるが、公的機関が導入するに至っていない特定健診サービスを民間企業が導入するための事業を支援。
  • 医療施設、医療機器、医療従事者等が不十分な地域における住民の医療サービスへのアクセス向上に貢献するため、公的機関が導入に至っていない移動型診断車や遠隔画像診断システムを民間企業が補完的に提供するための事業を支援。