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ベリーズという国の名前を聞いたことがある方は少ないかもしれませんが、中米に位置し(メキシコとグアテマラに隣接)、カリブ海に面していることから、陸地には熱帯雨林とその中にマヤ文明の遺跡が点在し、そして海は約450の島々と世界有数のサンゴ礁が形成され、その美しさから「カリブ海の宝石」とも呼ばれる、実は非常に魅力的な国です。

国土面積は四国の1.2倍ほどで人口約40万人の小さな国ですが、自然や民族構成、さらには言語、文化が多様で、国内を少し移動するだけでも雰囲気の違いが感じとれます。公用語は英語ですが、スペイン語、クレオール語、ガリフナ語など、さまざまな言葉も聞こえてきます。

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ベリーズの主な産業は、第一次産業(農業、漁業、林業)と観光業です。砂糖、バナナ、オレンジなどの柑橘類やその果汁、魚介類や木材が主な輸出品。また、前述のような大自然やマヤ遺跡を目当てに訪れる観光客が多く、観光業も主要な産業となっています。

一方で、時に大被害をもたらすハリケーンへの対応、熱帯雨林を中心とした生物多様性の保全、さらに廃棄物処理、海洋プラスチックゴミといった環境問題への対応は、第一次産業と観光業に頼るベリーズの人々にとって喫緊の課題。また、一定の経済成長を遂げてきた同国の経済も、コロナ禍の影響で大きな打撃を受けており、地方における高い貧困率など様々な社会的、経済的格差が存在しており、その是正も大きな課題となっています。

ベリーズにおけるJICA事業は、2000年に青年海外協力隊派遣が開始され、同年にベリーズ支所を開設しました。地理的には遠い日本とベリーズですが、教育、環境、スポーツ、ITなど様々な分野でこれまで延べ約200名の海外協力隊員がベリーズ国内各地で活躍して高い評価を受けており、また、日本での研修を経験したベリーズ人研修員は1986年以来、これまでで約300名に上っています。彼らは、日本とベリーズのパイプを太くしていく上で、大きな財産となっています。このほか現在、農業分野や防災、環境分野などの技術協力も展開中です。

JICAベリーズ支所は、これまでの蓄積を大切にしつつ、日々の業務を通じてベリーズの課題解決に取り組んで行くとともに、両国間の友好と信頼の絆をさらに強固なものにしていきたいと考えています。

中米地域とカリブ地域の両方に位置するベリーズは、両地域での事業を進める上でのモデルプロジェクトを実施するにもふさわしい国と言えます。日本の民間企業、大学、NGO、自治体の皆様にも、ぜひ、このベリーズで国際協力活動に取り組まれることを期待しております。

ベリーズ支所
支所長 立原 佳和