サンタ・カタリーナ州沿岸部衛生改善事業

(日)サンタ・カタリーナ州沿岸部衛生改善事業
(英)SANITATION IMPROVEMENT PROJECT FOR SANTA CATARINA COASTAL REGION

  • スキーム:有償資金協力
  • 課題:環境管理
  • 実施機関:サンタ・カタリーナ州上下水道公社(Companhia Catarinense de Águas e Saneamento-CASAN)
  • 対象地域:サンタ・カタリーナ州
  • 借款契約(L/A)調印:2010年3月31日
  • 借款契約額:144.26億円

プロジェクト紹介

ブラジルでは1973年に開始された「国家衛生計画(PLANASA)」の下、各州に上下水道会社が設立され、上水道普及率を80%に、下水道普及率を60%に向上させることを目標に上下水道整備が実施された。サンタ・カタリーナ州においては、同州上下水道会社(以下「CASAN」)により上下水道整備が進められてきたが、これまで上水道を優先的に整備した結果、同州の2008年の下水道普及率は28%と全国平均(77%)を大幅に下回る低い水準に留まっている。

かつて、同州には人口密度が高くない中小都市が多かったことから、従来は、下水道管渠及び処理場による汚水の集中処理ではなく浄化槽による個別処理で対応してきたが、近年は、内陸部から沿岸部への人口移動が進んだこと、沿岸部の都市を訪れる観光客が増加したことなどから、個別処理では対応できなくなってきている。沿岸部はもともと地下水位が高く、浄化槽の処理汚水がなかなか地中に浸透しにくいこともあり、個別の浄化槽の処理能力を超えた処理レベルの低い汚水が川や海に浸出・流入しているだけでなく、地下水源を汚染するリスクをも抱え、コレラや肝炎等の疾病の発生、観光地での海水浴不適、牡蠣やムール貝等の養殖物汚染、マングローブ林や稀少動物等の生態系への悪影響といった水質汚染問題が懸念されており、下水処理の改善が必要となっている。

本事業では、ブラジル南部サンタ・カタリーナ州沿岸部に所在する計5地区(フロリアノポリス市内3地区、ピサ-ラス市およびバハ・ド・スル市)において、下水処理システムの新設・拡張を行うことにより下水道普及率の改善を図り、もって同地域の衛生状態の改善、生活環境の向上および自然環境の保全に寄与するものである。

調査報告書

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稼働中の下水処理場

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建設中の処理場(デカンタ—)

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建設中の処理場(全景)