サンタクルス日本病院がJICA助成により癌センタープロジェクトを開始 82周年創立記念式典にて起工式を開催

2021年6月1日

この度、JICAは助成金交付事業において、サンタクルス日本病院のがんセンター開設を支援します。これは、JICAの「移住者の団体に対する助成金交付事業」にて、コロナ禍の影響を受けている日系団体の活動に対して助成するスキームの一環として実施されます。がんセンターは2022年3月の完成予定で、化学療法部門および放射線治療部門を設け最新の機器を配備すると共に、名門病院から人材を確保し、国内トップクラスのサービスが提供できるよう計画されます。これまで化学治療や放射線治療が必要ながん患者は他の医療施設での治療が必要でしたが、開設後はサンタクルス日本病院にて一貫した治療を受けることが可能になります。

2021年5月13日(木)には徹底したコロナ感染対策の下開催されたサンタクルス日本病院の82周年創立記念式典の中でがんセンターの起工式も行われました。式典では「サンタクルス病院」から「サンタクルス日本病院」と改名することが発表されました。もともと医療サービスにアクセスのなかった日本移民の為に御下賜金や日本政府の助成金を受け落成された病院であることや、第二次世界大戦勃発までは別名「日本病院」として地域住民から親しまれていました。

挨拶の中で石川レナト評議会議長や佐藤マリオ理事長はJICAや日本政府へ感謝を述べると共に、「日本」の名に恥じない、国内トップレベルの医療施設を目指す決意を表明しました。また、がんセンターを開設させ、より多くの患者の命を救えるようにより良いサービスを提供したい、と述べました。

JICAブラジル事務所の江口雅之所長は挨拶の中で、新型コロナウイルスのパンデミックの厳しい状況において、同病院の関係者が日々尽力されていることに敬意を表すと共に、JICAのミッションの一つには「人間の安全保障」の実現があること、そこには保健分野も含まれていることを説明し、がんセンターが多くの日系社会及びサンパウロ市民のがん患者の治療に希望を与え、貢献すると確信します、と述べました。

起工式では記念プレートが発表され、江口所長が石川評議会議長、佐藤理事長らと共に記念プレートの下でプロジェクト開始を祝しました。JICAは新しいがんセンターが多くの患者の治療に役立つこと、またサンタクルス日本病院がブラジル日系社会を代表する組織として、益々ブラジル国内および日本との関係において活躍されることを期待しています。

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代表者記念撮影

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式典の様子

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JICAブラジル事務所江口雅之所長挨拶

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がんセンタープロジェクトの発表

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がんセンター記念プレートの授与