ブラジル社会を和食で健康に 栄養士が制作した和食レシピ本「日本の味」が完成

2021年10月25日

和食がユネスコ無形文化遺産に登録されているのはご存じですか?旬の素材を使い自然を尊重する点、味だけでなく見た目の美しさを重視する点、栄養バランスが優れている点などが高く評価されています。また、五味(甘味、酸味、塩味、苦味、うま味)の食材本来の味を生かすのも和食の特徴です。日本では和食は昔から健康長寿の食事として知られてきました。

JICAはブラジル全土に点在する日系病院同士の連携を強化することでブラジル医療の更なる向上を目指す「日系病院連携協議会」を2018年から支援しています。協議の中で提案された栄養士の育成がきっかけとなり、2019年5月に7名の栄養士がJICAの研修を通して来日。九州大学で日本の病院食について学びました。

栄養士は帰国後、九州大学の指導の下、ブラジル人の舌に合わせた、ブラジルで手に入る食材で作れる和食レシピを開発。そして2年の月日を経て、レシピ本「日本の味」が完成しました。2021年10月15日にはサンタクルス日本病院学術研究所にて出版を祝した式典が開催されました。レシピ本はポルトガル語と日本語の二ヶ国語併記で書かれており、電子書籍として無料で一般公開されています。

本には和食を広めることでブラジル社会全体の健康増進に繋ってほしい、という願いが込められています。この本の制作に携わったサンタクルス日本病院学術研究所の西国理事長は「日本はブラジルやアメリカと比べて肥満が少ない。また、ブラジルの人口の10%が高コレステロールや腰痛症、高血圧など、何等かの慢性疾患を抱えています。」と語り、健康的な食生活の重要性を強調します。

皆さんも「日本の味」レシピ本を通して日本の食文化を知ると共に健康的な和食生活を始めてみませんか。

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レシピ本を開発した栄養士7名

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レシピ本出版式典は九州大学医学部と繋げてハイブリッド形式で行われた。

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栄養士代表のソランジ・ガルシアさんと共に出版を祝福

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レシピを基に再現した和食。栄養バランスに優れている

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2年かけて制作したレシピ本「日本の味」は140ページの大作