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【スリランカ⇔長野県】JICA海外協力隊の日常生活、スリランカの日常風景を動画で紹介-長野県白馬高等学校

2024年5月15日、長野県白馬高等学校の高校1年生54名に向けたJICA国際協力出前講座を行いました。講師はJICA海外協力隊としてスリランカのコロンボで活動している倉田桃子さんです。倉田さんが活動するのは、「国家青年活動評議会ミリガマ・トレーニングセンター」というスリランカ政府の運営する職業訓練校で、高校卒業資格のある学生が勉強しています。倉田さんはその学校でパソコンや日本語の授業のサポートや、情操教育などのアクティビティ紹介を通じて、コミュニケーション能力やチャレンジ精神などの、社会に出て役に立つ力を育成する支援をしています。

今回の出前講座のタイトルは、「異なる『当たり前』を乗り越えて-相手を理解しともに考える未来」。まず倉田さんは、スリランカの日常風景を動画で紹介されました。それは、駅手前でまだ動いている電車から当たり前のように線路に次々と降りていく乗客たち、、、倉田さん自身の持つ当たり前「動いている電車から降りてはいけない」や「線路に降りてはいけない」とスリランカの当たり前が異なることを実感したとのこと。「皆さんはこの動画を見てどんなふうに思いましたか」。

スリランカでの異文化体験はまだまだあります。倉田さんの同僚は、なにか特別な行事があっても事前に準備をせず、直前になってから準備をします。間に合わなくなるとみんなが困るから、もっと早くから準備すべきではないかと、最初は注意していました。でも直前に準備しても、協力し合えば間に合う様子を目の当たりにして、スリランカではそんなに早いうちから準備する必要がない、と考えるようになったそうです。

白馬高校の生徒から、「スリランカで違いを体験し、しんどいと思うこと」という質問について、倉田さんはスリランカの人の感覚が自分に比べて何もかものんびりしているので、歩調を揃えるのが難しかった、と答えていました。でも反対に、自分が病気になったときにスリランカの人が寛容に受け止めてくれるため、安心して休養することができると教えてくれました。違いがあっても、どちらの方が良いとは言えないのですね。

生徒同士のディスカッションでは、心に残ったこと、「当たり前」が異なる人と出会った時にとる行動、世界が良くなるために必要なもの、の3つのテーマについて、ペアで話し合いました。

受講後には、「動画などの生の資料を多く使っていただいたので生徒もスリランカがどのような国なのかがよく理解できたと思います。また、国が違うから価値観が違うではなく、価値観が違うことは日常生活でも起こりうることを気づくことができる授業であったと思います。」とのコメントもいただいています。

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電車から乗客が線路に降りてしまう様子

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スリランカの言語を紹介

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スリランカの伝統的ダンスの動画を紹介