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【神奈川県】貧困って何だろう?~ボリビア・グアテマラの経験から~-私立横浜翠陵中学校

2024年6月8日、横浜翠陵中学2年生がJICAオンライン出前講座に参加しました。講師は、JICA職員の山口尚孝さんです。山口さんは東京のJICA本部のほかJICAボリビア事務所やグアテマラ事務所などを経て、現在はJICA九州センターに勤務しています。横浜翠陵中学の生徒は、「世界がHAPPYになるために」をテーマに掲げて、3年間のプロジェクトベースラーニングを行っています。「HAPPYであること」と「貧困」には何か関連があるのではないか・・・、世の中にはどのような形で貧困が存在するのか知るため、JICAの出前講座にたどり着きました。

本講座では山口さんが赴任したボリビアやグアテマラで撮ったたくさんの写真を通して、貧困について考えていきました。

写真では、人や自然、そして人が暮らす町や村の様子を見せてもらいました。ボリビアの首都(ラパス)にも、たくさんの人が住んでいます。写真で見ると家がひしめき合って、夜には電気が灯って夜景がとてもきれいです。市場には、たくさんの野菜があふれています。食べ物もとてもおいしいそうです。自然も豊かです。ボリビアもグアテマラも美しい国である、ということが分かりました。

そんな国で、「貧困」はどんな形で存在するのでしょうか。実はボリビアやグアテマラで暮らす人は、日本と比べるととても質素な生活をしています。また、社会問題も多く存在します。例えば教育分野では、先住民は自分が家庭で使っている言語とは違う言語で授業を受けなければならない、学校の教育の質が低い、学校に行けない子どもたちも多い、といった問題があります。

山口さん自身は、若いころ訪れた開発途上国で、貧困や極度のインフレといった社会課題に触れ、この業界に飛び込むことを決意したそうです。さらにJICAの仕事をして、様々な角度から開発途上国の様子を見る中で、貧困には経済的な問題だけでなく、「政治への不信がある」「法律が運用できていない」「危ない場所に住まなければならない」など、様々な形で存在することに気づきました。しかし、貧しいからといって心が貧しいわけではありません。人の優しさ、温かさ、心の豊かさは、開発途上国での人との出会いの中で感じることが多いそうです。

生徒たちは山口さんの話を熱心に聞き、「グアテマラの平均年収はどのくらいか」「グアテマラやボリビアに『無い制度』ってどんなものか」「どういう人が教師になるのか」など、チャイムが鳴るまでたくさんの質問をしていました。

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山を背景にしたボリビアの夜景 とてもきれいです

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子どもたちが一生懸命勉強するのは、日本もグアテマラも同じ。でもグアテマラには、学校にすら通えない子どもも多くいます。